ひょっとしたら気にされていた方もいらっしゃいましたでしょうか。だとしたらすみません。本当は当日のうちに書いておきたかったのですけども昨晩は緊張と夜の蒸し暑さにやられて撃沈してしまいました。(今は元気です。ご安心下さい)
昨日8月22日(日)、恵比寿のレッスンスタジオ・ボーカルスクール「スタジオミュージックワークス」によるクラウドファンディングの一環として、川村万梨阿さんの絵本朗読ワークショップが行われ、私も受講生のひとりとして参加してきました。
このクラウドファンディングについては以前この展示室内でもご紹介しておりました。下記リンクからどうぞ。
ワークショップ開催までのやり取り
さて申込時のときにも書きましたけども、当初このクラウドファンディングについては募集を目にして「こんなすごい内容、これは声優さん志望などプロ志向の方が受けるものなのだろう」と勘違いし、定員も3名ととても少なかった事もありすぐいっぱいになってしまうだろうと勝手に思っておりました。
今回朗読にはいる前に川村さんから朗読について、現代ではAmazonのオーディオブックAudible(オーディブル)で元NHKアナウンサーの松平定知さんが水滸伝を読まれてたりすることや、3.5次元の朗読劇「リーディング・ハイ」など、朗読から近年新しい世界が広がっていることをご説明いただきました。 ところがそれから10日経っても埋まっていない、という話が飛び込んできて…じゃあ、やってみようかということで応募し書いてみたのが上のブログエントリーです。その後追加枠募集もあって、結果ワークショップには8名の方が申し込まれたかと思います。
しかし申込時は5月だったのですけども、それから新型コロナウイルスCOVID-19の状況が更に悪化し、はてさてこのワークショップについては開催されるのかな、と心配が頭を過るようになってきた頃、川村万梨阿さんから「来場に不安のある方は日程の組み直し、もしくは個別に対応したい、このような状況にご負担を強いるのは意図するものではない」(超圧縮)という内容のご連絡がありました。
恐らく私含め殆どの方がこのメール文面を読んで、非常に安堵し、またお心遣いをとてもありがたく感じたことと思います。実際に体験されていない方には奇妙な話になってしまうかもしれませんけども、ワークショップに入る前の、川村さんからの心配りだけでも額面以上の恵みを支援者たちは頂いていたのではないでしょうか。
無事に改装が終わった会場で
今回の会場は恵比寿から徒歩5分くらいにある…はずなのですが、私は適当に歩いていたら道を間違えてしまい10分位かかってしまいました(オイ)
10月8日発売のファイブスター物語16巻に登場予定の、ラキシスが気にしていたパンケーキ「カフェ・アクイーユ」はこの通り沿い、本当ご近所にあります。
受付&クラウドファンディングで改装されたスタジオは3階にあります。 入口の写真を撮っていたら別方向から扉が開いて、川村万梨阿さんが突然ご登場されてびっくらたまげました…😂
そのまま川村さんと、スタジオミュージックワークスの代表福原久美さんのご案内で靴裏消毒+手指消毒+検温+うがいのあと、靴を脱いでクラウドファンディングで改装されたスタジオ部分に入ります。
今回は、私以外は男性で3名でした。おひとりはこのブログを読んで申し込んで下さった愛尾名(あいおな)さんでした!大変ありがとうございます😆(もれなくへっぽこ名刺をお渡しいたしました…)
写真が下手くそで申し訳ありませんけども、今回のクラウドファンディングにより、3階事務所一部が防音改装+ピアノも運ばれて(通路のことを考えると確かにクレーン吊り下げないと移動できない感じでした)無事、(コロナでなければ)10名位のレッスンに対応できそうな会場になっておりました。
ここにさらにシールド+私達もマスクの上からフェイスシールドを装着して(因みにここまで全て川村さんに対応していただきました)ワークショップ開始です。
朗読に入っていきます。
今回のワークショップは絵本「ピョンとクルリ」(作 せきいさお・美術「人形劇・木ぐつの木」)を子供に読み聞かせる、といった内容となるでしょうか。
しかし絵本とはいえ50頁もありますし、事前に目を通してみると「かえると花の種の淡い恋物語」のようでもあり、この朗読は大変だろうなぁ…と思いました(本は先に川村さんからプレゼントという形で送られてきました。)
川村さんはこの絵本を用いた人形劇読み聞かせ&ライブを2009年に行っており、なので川村さんの絵本はその時用に、(暗いところでも読めるように)改造レベルで紙が貼られて蛍光ペンなどで強調された「台本」のようになっていました。
自分は朗読というとプロコフィエフの「ピーターと狼」くらいしか知らなかったのですが…、
(動画を貼っておきますので良かったらどうぞ。これは日本語ですけども世界各言語でこういった形で進行します。でもこの動画だと語り手が3人いますけども、本来はひとり朗読です)
川村さんもAudibleでラノベ「筺底のエルピス」を朗読されており、ラノベは朗読の中でも擬音や感情表現がとても多い上、中年男性の演じ分け(沢山出てくるらしい)が大変で「1人でアニメーションをしているような」感じだそうです。(Audibleについてはリンク先でサンプル音声が聞けます)
今回の参加者3人の中にプロ志向者はいませんでしたので、(これが志望されている方だと更に発音が求められるそう)
- 「お客さんに物語を伝える気持ちが大事」
- 「時々聞き手の方を見て相手のリアクションを多少意識する」
- 「オンラインゲームのように声の届くターゲットを意識する。時には顔や視線を動かすと声も届き方が変わる」
- 「起承転結を大事にするけれども、お子さんは承の部分で飽きてしまうこともあるので、特にこの部分で喋りを工夫するといい」
…もっと色々あったのですが、自分がメモしていたのはこのくらいです(オイ)実際はもっと多様で、かつ優しい語り口であったと付け加えさせていただきます。
川村さん含めて順番に絵本を読んでいくのですけども、皆さんとてもお上手だった…(おひとりは普段朗読サークルで活動されてました!)私はトホホです😂😖
そしてこの「ピョンとクルリ」。先にも書きましたがこのお話は一匹のカエルと花の種のお話です。ですので言葉やセリフにも「花」とか「種」に絡んだ内容が沢山登場します。
川村さんに本を読んで頂くとまるで映画ゴティックメードに登場する花の詩女ベリンがその場で私達に話されているみたい…。
「生ベリンだわ…(オイ)」
…と次は自分の話す番であることもついつい忘れ、うっとりと聴き惚れてしまいます。
なのですが、単にうっとりしただけでなく、キャラクターによってお芝居や声色がものすごく変わるので時々びっくりしてしまいました。
私達は「アニメーションのキャラクター」とか「吹き替えされる画面の役者さん」のフィルターを通してでしか声優さんのお芝居に接する機会が少ないので、この「演じ分け」は普段わかりにくいものですけども、おひとりの身体で違う人たちが喋っているみたい!という感覚、これが声だけで繰り広げられるのか!という驚きに満ちていました。声優さん、凄いお仕事なんですね…。
朗読の後も楽しかった!
4人で頑張って本を一冊読み終えて、ホッとした所で質疑応答…というかなんだか参加者さん皆あれこれ聞きたくなってしまい、川村万梨阿さんに聞け!といったファンの集いのようになっていました。
どこまで書いて良いのかわかりませんから、朗読後、こんな話が繰り広げられたということだけ記しておきます。
- 動画や音声配信での喋りかたについて
- いわゆる「オタクの早口」含め、つい喋りが速くなる時について
- 閃光のハサウェイでのアフレコについて
- スーパーロボット大戦やパチンコなど、ゲーム関連のアフレコについて
- アニメ新世紀宣言について
- 川村万梨阿さんが東映研修生だった頃の、太陽戦隊サンバルカンと曽我町子さんのお話
そのあとも我儘言ってサインを頂いたり記念撮影したり、しかもおみやげまで頂いて(冒頭写真のアイシングクッキーがそうです)大大大満足、時間オーバーしてのお開きとなりました。
最後に
参加者全員またワークショップやって欲しいと希望していましたし、川村さんもスタジオ代表の福原さんも前向きな感じの発言が聞かれましたので、是非是非もっと多くの皆様に体感して頂けたらファンの方皆様、きっと大喜びではないかと思います。(川村さんとしてもこういった試みは全くはじめてだったとか。)
もしもそういった機会が再びあるようでしたら、このブログでも必ずお知らせしたいと思います。次は皆様にも楽しんでいただきたいな…。
ただクラウドファンディングの背景には、1年半以上続くコロナ禍によって、音楽産業や教室などの対面での事業の困難がものすごいものになっていることも、恩恵をうけるばかりでなくその辺りも理解しなくてはいけないと同時に考えています。
ただでさえ感染力の上がっているデルタ株が蔓延しつつある今、ひとりひとりの支援はささやかでも、なんとか知恵で苦難を乗り切っていただきたいと切に願っております。
川村さんもこのコロナ禍が過ぎたら、お芝居をやってみたい(いわゆるお芝居なのか朗読劇なのかはわかりませんでしたけども)構想があるようですから、川村万梨阿さんの今後の活動にも大いに期待したいと思います!開催前から本当にとってもお優しくて改めて感激を噛み締めております。心からありがとうございました…!!
今回、ワークショップの前に「スタジオミュージックワークス」と川村万梨阿さんの由来(というのかな)についてもお話がありました。聞いていたらそりゃ、川村さんがこのスタジオを護っていきたいな、と考えていらっしゃるのも至極納得の内容でした。
映画ゴティックメードを映画館で楽しめるのも、こういった縁の下の力持ちが控え、声優さんや歌手の皆さまを支えているからなのでしょうね!
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