展示室37・どなたかにファイブスター物語を紹介する難しさ。

 前回展示室でもご紹介した川村万梨阿さんのワークショップですけども、この催しに参加した際、このブログからクラウドファンディングに参加して下さった愛尾名(あいおな)さんから、「是非私に見て頂きたい」ということで見せて下さった映像がありました。

 それは2007年の8月にNHK・BS2(現在BSプレミアム)で放送されていた「マンガノゲンバ」という番組でした。ここで皆さんに簡単に紹介すれば、その中の冒頭15分を使ってファイブスター物語の内容紹介&その魅力を伝えている内容といったところでしょうか。
 07年当時はまだFSSは休載中でしたから、番組内では単行本12巻までと、DESIGNS1までの画像を随所に使い、特にクリスティン・Vの物語に焦点をあてて、その部分は声優さんがセリフを朗読されていました。また巻末年表は大型パネルになり、この年表が導く物語の進め方について触れられていました。(尚、永野先生は番組にご出演されてませんけども、取材はされていた模様で、後々椅子からひっくり返るような展開になるということをこのとき既に示唆されていましたね💥)

 私は見終わった後、「さすがNHKだなぁ!内容をわかりやすく伝えるための予算も潤沢だろうし、当然画像使用許可もとってあるだろうし声優さんもバッチリ使って音楽もそれらしくはめ込まれて…。(FSS劇場版のBGMが多く使われていたかも)未見の方が実際に作品を手に取るかはまた別として、当時のFSSファンは大体満足されたのではないかしら?」と感じました。
 ※ただツッコミどころがないわけではありませんでしたけども…(騎士の説明で使われていた画像がモラード・カーバイトだったのはオイ!でしたね😂)

 というのも、このへっぽこブログも含めて、ネットでファイブスター物語について語っている方の、恐らく多くが「FSSをもっと多くの方に読んでほしいな」と常に願っているわけです。
 しかも、この番組が放送されてから更に10年以上が経過して、その間にインターネットの流行は更に目まぐるしく変化、多様化してきました。その気になれば各種SNSやYoutube、clubhouseなど、自らが発信源になる機会は飛躍的に増えたわけです。

 なのですが…
 これが非常にハードルが高い!
 それは勿論作品そのもののせいではなく、発信者側に幾つも高いハードルがあるからです。乱暴なまとめかも知れませんけども、作品の魅力を不特定多数に伝えようとする際の3つポイントを上げてみたいと思います。
  1. 切り口がどうであるか?
  2. とにかくキャッチーであるか?
  3. 2を果たすため、手段をどう選んだり選ばなかったりするか?
 1の切り口については、作品の知識があればそれに越したことはありませんけども、それ以上に「何処が魅力なのかを語りたい」というのが主眼だと思います。だから作品の知識がたとえ乏しかったとしても、よく俯瞰できて伝えたいテーマを絞り込めればそれほど問題はないかと考えています。
 また、その人が魅力に感じている部分であるのならば知識よりも愛情で押し切ってもよし、FSSであればメカやエピソードのごく一部分だけをクローズアップするのも魅力がわかりやすく伝わってくるのではないでしょうか。
 そういう点でNHKが一番仔細に説明したのがクリスティン・Vのエピソードであったのは賢明だったと思います。2のキャッチーにも繋がりますしね。

 2のキャッチーについては…「これが分かれば苦労しないよなぁ!」と私がブログを書いていて常に悩んでいることです。FSSのキャッチーさを人に伝えるのには原作の永野先生の画が一番わかり易いのでしょうけども、無断転載はいけませんからね💨
 ここで昔、(2015年)pixivに上げていた「漫画・ファイブスター物語の勝手ガイド」というものをここで取り上げておきます。
 当時はなんとかFSS読んでもらいたいなぁ、ゴティックメード見てもらいたいなぁと思って、暴走して出来たものです💦長くてもうしわけありませんけども…(クリックすれば拡大表示されると思います。)

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…すみませんいっぱいスクロールさせてしまいましたでしょうか。
ものすごい勢い「だけ」で書いてしまった上に、当時から「永野先生のようにはいかないし、最低限記号的にキャラクターが分かればいいや」と画は走り書きになっております。
しかし「自分が感じているFSSの魅力、それを初見の方に伝えるにはどうしたらいいか?」という題材に対して私が説明するとこんな感じ。という意味では現在も伝えたいことは大きく変わっていません。
これを現在更にキャッチーに広めたい…となると、そうですね。イラストを描き直せば2~3点(100点中です)位は、人からの評価が上がるかも知れませんけども、画にしても文にしてもとにかくキャッチーさに欠けるわけです。そういった意味で3にも繋がるわけです。

そして3の「キャッチーを伝える手段」については、とてもさじ加減の難しいところであります。
「嘘、大げさ、紛らわしい」といったBPO的なことは勿論いけませんけども、人を惹き付けるためには手段は選ばない、といった所もあるからです。
NHKの番組がわかりやすくFSSを紹介していたのは「紹介するテーマを絞りつつ、原作の絵をふんだんに使いつつ、声優さんの声でアニメのようにキャラクターを疑似体験したり、出演者やゲストのトークで未見の方にも共感を呼ぶように」作られているからです。
 そういった意味でも五感の補助となる声やトークも非常に有効なのかも知れません。でもただそれだけではブレイクスルーにならなくて、目の部分を補強するためにも…FSSだと美麗なファンアートや、素晴らしい出来栄えの模型、美しいコスプレなど、見る人の興味をガツン!と引く何かが必要なのだと思います(というのも私達ファンは、不特定多数の方に作品を紹介するのに一番キャッチーな素材であるところの原作の絵は使えませんから)

 あるいはキャッチーを獲得するのに際どいと思えるような話題とかを用いても良いのでしょう。週刊誌やネットニュースの見出しが扇情的(最近その一線を超えちゃっているのも多いけど)で近頃批判をあびていますけども、やはり気を惹くようなフレーズやテーマは注目を浴びやすく、導入にも繋がり易いのです。
 残念ながらFSS関係でも以前下記のような事があったように、やっぱり「誰もが知りたいトピック」には時折下世話な側面が見え隠れすることもあるわけです。

 多分現在のアルファブロガー(とはもうあんまり言わない?)とかインフルエンサーとかYoutuberはこの辺りの取捨選択がとても上手で
映える(文章、画像、映像)テクニック」+「分かりやすい、ひきつけやすい視点で語る」+「多少の、NGにならない程度の煽り(天然か意図的かは発信者による)」
という3要素を兼ね備えてやっと、ブレイク「するかもしれない」スタートラインに立ったような感じだと思います。(勿論それだけじゃ足りないのです。運とか時勢を読む要素とかもいるはず…)
 自分はどの要素も持っていないから、いつまでもへっぽこなのですけども💦ひょっとするとこの3要素で、多くの方が集まりそうなプラットフォームでFSSを語れば、多くの方に単行本を手にとってもらえるのかも知れません。

 ただ困ったことに、受け取った側がPRの部分だけで満足しちゃって、それで終わりになってしまってもいけないのですけども…😓(ウィキペディアの弊害などは、単に記載者の引き起こす間違いだけではなく、検索してすぐ概要が出て、読んだ人が分かった気になってしまう親切過ぎる所にもあるのかもしれません。)

 そんなわけで、番組の感想だったはずが大きく逸れてしまいましたけども、愛尾名さんこんな私に教えていただき、改めてどうもありがとうございました。
 自分は残念ながらキャッチーさには欠けていますけども、今後も誰かにFSSの魅力が伝わったら良いな、とヘンゼルとグレーテルの置き石のように、ネットの広大な海原に時々話題をポツポツと置いて、愛尾名さんのようにどなたかが拾ってくれることを願いながらブログを進めていこうと思います😄

 追伸
 今回書いたことは何もファイブスター物語の魅力を伝えたい!という点だけでなく全ての趣味や個人の興味関心ごとを語る時にもつながるのではないかと思います。ただ皆さん純粋な思いで先に上げた3つの要素をクリアしてきている訳でもないと思います。
 強すぎる煽り文句や、第三者のガイドだけで満足しちゃわないで、自分でも体験し、考えるようにもしないとね、ということを自分への戒めとしても記しておきたいです。

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