57回目のゴティックメードに思う。

  先日、4月29日(火・祝)のTOHOシネマズ新宿と5月1日(木)、TOHOシネマズ日比谷に「花の詩女 ゴティックメード」を観に行ってきました。
 どちらも大変楽しめたのですけども、日比谷での帰路、電車の中で他の方の映画感想を読んでいたところ、思わず目を見張り、びっくりする内容に当たることとなりました。
「凄い、今日の日比谷をご覧になって…2回の鑑賞でこの映画のことをがっしり捉えている!!」
 そのnoteは実はクリエイターの方が手掛けられており、アニメーション撮影監督の富田喜允(よしみつ)さんが映画ゴティックメードについて書かれたものです。(私は読んだあとでお名前を確認して電車の中で更にひっくり返りそうな位に驚きました…。)
 とにかく先ず一度へっぽこブログのことは忘れて😅こちらを御覧ください。(noteです。)
リンク掲載とご紹介について富田さんのご了解を得ています。
 …さて、戻っていただきありがとうございます💦
 凄かったでしょう?私達(とあえて書く)は12年この映画を追いかけてきているのに、富田さんはゴティックメードという作品の何が特異で、何が興味深く、どこに魅力を感じているのかをしっかりと文章化されているわけです。
 もうここでこの項目終わりにしても良かったのですけども…。とはいえ、この富田さんの文章に気づきも得られたこともあり、補足にもなりませんがもう少しなにか徒然書いておこうと思います。

 富田さんがGTMをご覧になられたのはTOHOシネマズ日比谷と…恐らく新宿でしょうか。ちょっとそこまでは分かりませんでしたけども、でもnoteの冒頭でも書かれていた「今のタイミングで」ゴティックメードをご覧いただけたことをとても嬉しく思います。
 ただそれは富田さんが書かれていたこととは別の、ちょっと変わった理由からです。
 
 というのも「花の詩女 ゴティックメード」は、13年前、2012年公開の映画作品なのですけども…私は日比谷で57回目の鑑賞になりました。
※映画を見に、秋田から福岡まで出かけました…。
 そんな素人でかつ変人の意見になってしまうのですけども、ゴティックメードという作品が「映画館でポテンシャルをしっかりと発揮しだしたのは2020年代に入ってからではないか?」とこの頃私は考えているからです。(2013年の梅田ブルク7の時だけ除く)

 ゴティックメードって一瞬いっときの画面に入ってくる絵作りそのものはシンプルだと思います。
 カメラを振り回し人物を追いかけ回したりするようなアングルやスピード感を追求した感覚とかではなく、70数分の大部分はあくまで人の目の高さで、登場人物の視線を追って観ているような感覚だと思います。
 そのうえで
  1. 雨や種から、人工生命体の瞳の描写まで、あらゆるところで表情豊かで細やかなアニメーション表現。(画像情報量)
  2. シンプルゆえに、臨場感と没入感を上げる距離の近さ。(臨場感)
  3. 経験的でも未知の感覚でも、恐怖を感じさせ地面が震える(と感じる)ほどの音(音響)
  4. わかりやすく、高貴で背筋が伸びる思いのするお話(物語)
 この4点が揃ったときのゴティックメードの破壊力は本当、凄まじいのです。
 それが2013年のドリパス上映初期に行われた会場の「梅田ブルク7(現T・ジョイ梅田)」では、観に行ったファンの間で暫くの間語り継がれる程とても良かったのですけども、その後中々同時にこの4点が満たされることがありませんでした。(リンクは当時私が書いたものです)
※尚、2013年当時ドリパスはyahooの傘下でした。後々TOHOシネマズ→インコム→現グランプランと運営会社が変わっています。

 4はどこの劇場でも同じですから、ここからは1~3についてのお話になります。

 梅田ブルク7のピカピカ大迫力に取り憑かれた私は、その後数年にわたって、ドリパスで再上映があるたびにあちこち出かけたものの、そういった出会いに中々遭遇せず、4の物語についていつも魅了されつつも「あれは、ブルク7のときは幻だったのか?」と内心悩む日々も続きました。
(いや、前後のファンの皆さんとの語らいや、旅自体もまた楽しい思い出満載でしたからあちこち遠征したことについては全く後悔していませんけども…。

 ようやく「梅田ブルク7のGTMにまた会えた」と思えたのは2019年年末の「池袋HUMAXシネマズ」での劇場版ファイブスター物語とのW上映のときでした。(リンクはそのとき書いたブログ)
※劇場版FSSがフィルム上映された最後でもありました。10秒でデジタル上映と入れ替える神業を見せてたので、事前テストとかしたのかな?あとこちらはスクリーンの距離も近めでした。

 その後ひとまず「TOHOシネマズ日比谷」「TOHOシネマズ池袋」「TOHOシネマズ梅田」「TOHOシネマズ新宿」では自分が大満足できるゴティックメードに出会えております。
 良い条件のGTMを観ているうちに2013年・梅田ブルク7のときの上映は「スクリーンと座席の距離がとても近かった」ことと臨場感が関係しているのではないか?と思えるようになりましたけども、それはここ5年ほどの話です。

 例えばTOHOシネマズ新宿は2015年オープンの劇場で、500席近くある大スクリーン&この劇場が開業したときからGTMにドルビーアトモス仕様の(9.1ch特別版)が誕生しました。
※劇場のこけら落としとして上映されました。このときにドルビーと東宝からのオファーがあり9.1ch特別版へのアップコンバートが成されたと永野先生が雑誌インタビューで語られています。なので新宿のスクリーン10辺りには永野監督&川村万梨阿さんのイラスト色紙が展示されています。(尚上映されるスクリーン9からは若干離れた所にあります。)

 しかしあまりにでっかいスクリーン故なのか当時は発色&描写力がイマイチで、しかも出来て割とすぐにスクリーンに大きなシミがついてしまい、両方が気になって作品に全然のめりこめない。
 私はここで折角の大型スクリーン&最新音響にアップグレードされたのにも関わらず、この劇場でゴティックメードが上映されても、自宅から一番最寄りの映画館なのにも関わらず「絶対行かない!」と暫くの間は避けるくらいでした。
 その新宿…いつからか分かりませんけども、最近映写機とスクリーンが変わったようで私もようやく安心してこの劇場でのGTMを楽しめるようになりました。
※隣に高級路線なことを売りにした109シネマズプレミアム新宿が2023年に出来たのと関係あるのかな…。
その位「2015年と2025年では、映写機の描写力が違うのです。」

 そしてTOHOシネマズ日比谷は2018年オープンの劇場。
 今現在でも日本劇場の流れを組む東宝のメッカ?で、スクリーンは13もあります。
 ゴティックメードは2020年6月、コロナ禍の真っ最中にやはり劇場版ファイブスター物語とのW上映が行われたその1回きりでしたので、今回のGTM上映は5年ぶりということになります。
 音は新宿に比べてよりダイレクトに音量が大きい感じ。(今回は新宿も頑張ってたんですけどね…。)何より画面が「目が疲れないギリギリの距離」で迫力満点。その距離感ゆえか、はたまた映写機の描写力のせいなのか色合いはたいへん美しく、アップでのアニメーション描写はとても楽しめました。楽しめたのですが…
「?新宿に比べて遠景のアニメーションが少しだけ見にくい。ぼんやりしている」
んですよ…。2020年の時はそれでも満足できましたし、恐らく「些細なこと」なのかも知れないのですけども、新宿の映像のあとだとほんのちょっとだけ物足りない。
(ちなみに日比谷のドルビーアトモススクリーンは2番手。とはいえ地方の劇場ならば間違いなく1番大きなスクリーンです)
 ひょっとしてここのスクリーンはオープン時から映写機変わっていないのかな?となると…
「2018年と2025年では、映写機の描写力が違うのです。」ということなのか…。

 そして最近2回観に行って(2回目は2024年の年末)大満足しているTOHOシネマズ梅田。ここは2022年11月にリニューアルされ「プレミアムシアター」化されました。
※池袋はプレミアムシアターですが、新宿と日比谷は違います。
 ドルビーアトモス+プレミアムシアター用にこだわって調整された音響は個人的には最強。まさに地面が震えそうな感覚。画質も大変綺麗です。
 ただこちらは…劇場そのものが古く、構造が昔ながらで左右ブロックが鑑賞に不利。(中央ならば問題ありません)しかも、新宿の大画面や日比谷の近い距離を観ちゃうと…ちょっとスクリーンと客席との距離が遠いんですよね。

 うーん、困った。
  1. 画像情報量(細やかな描写) 新宿≧梅田>日比谷
  2. スクリーンの距離(臨場感) 日比谷>新宿>>梅田
  3. 音響(迫力)        梅田>日比谷>>新宿
 なんですよ…。私基準ではこの3劇場でゴティックメードをご覧になっていただければ恐らく(個々人の好みと別として)この作品のソリッドさと丁寧な作りがてきめんに観客に伝わってくれると信じているのですけども、全部が1番になるような劇場が今のところない。
 ひょっとしたら、後からできた「ドルビーシネマ」(ドルビー社の規格によるシアター。勿論ドルビーアトモスです。)のTOHOシネマズららぽーと門真(2023年オープン)と、TOHOシネマズすすきの(2024年オープン)ならばこの3要素がビシッと決まったゴティックメードが観られるかもしれませんけども、私行ってないので分かりません。
※是非体感しに行きたいのだけどもここの所DESIGNS永野護展など他のイベントもあって予算が…石油王なら良かったのに😂

 ちょっと話がそれてしまいましたけども、特にご注目していただきたいのが
「2018年オープンの、それも東宝さんの”一丁目一番地”であるところの日比谷の映写機でも新宿や梅田と比較しちゃうとまだちょっとだけ不満がある」
「2015年オープンの新宿は、最近すこぶる良くなった。」
「2022年にプレミアムシアター化した梅田も表現がすこぶる良くなった」
※私はプレミアムシアター化以前の梅田は観に行ってないのですが、複数の方からそういったお声を聞いてますので多分そうなのだと思います。

 なのでゴティックメードは「2012年の作品でありながら、公開当時の劇場の画質、音響では恐らく映画の全てを表現しきれていなかった…。」
 「ようやく2020年代に入ってから、導入されている映写機のスペックによってそれが引き出される様になってきた。」という変わった作品なのではないか?という仮説をいま私は立てています。

 普通映画って、映画館ならば割といつでもどこであっても同じ風に感じ入ったりするものだと思うのですけども、ゴティックメードはそうじゃない。人間の脳って提供された一瞬一瞬を意外なほどよく捉えているものだと思います。
 映画制作時にあまりに規格外なスペックが用いられた画質や音へのこだわりが、時間の経過とともに映画館における施設と機器のアップグレードとともに解放されている。
 しかも一見シンプルな絵作り故に、情報の提供具合がすごく目立つのですよ…。
 「でもそんなことはあり得るのか?」という疑問も一応同時に持ち合わせていたのですけども、富田さんのnoteを読んで、でもやっぱりあり得るかもなぁ…と思えるようになってきたこの頃です。
 ですので富田さんが2025年の今このときにゴティックメードを御覧頂いて本当に良かったと私は確信しております。そして最近になってこの映画作品のことを知り、足を運ばれた皆様が本当に羨ましい。
 2012年の公開当時だったらここまでしっかり作品の強みが観客に届いたのかな…?と自分は思います。
※ただ2012年当時は謎の情報(オリジナル作品だと公開前は言われていたのに明らかにファイブスター物語と繋がっている数々の要素)について振り回されっぱなし鑑賞者の第一の関心ごとだったのも確かですから、それはそれで良かったのかもですが。
 
 先にも書いたように、自分ならば2025年の現在、先に書いた劇場(TOHOシネマズ新宿、日比谷、大阪梅田、池袋)でゴティックメードをご覧になられるのでしたら安心して誰にでもオススメできます。それよりも新しい設備の門真と札幌すすきのでも多分大丈夫でしょう。
※ただ池袋のシアター10は、2024年にScreenX化という形で3面スクリーン化されてしまいました。それ以後ゴティックメードは1回再上映がありましたけども、この変更で映りの印象がどうなったかは未確認です。絵も綺麗だし、プレミアムシアターなので音は梅田に匹敵する位良かったんですけどね…。

 ただ他の劇場については一体どうなのか??
 流石に「劇場の映写機がどういう周期でいつ変わる?」なんて私には分からないしなぁ…😅(オイ)
 あと名古屋・栄に2026年にTOHOシネマズが新規オープンするらしいので、このときにドルビーアトモス付きのプレミアムシアターか、ドルビーシネマのスクリーンが出来るか?というのも最近の私には重要な関心事になっています。
 これがもし実現すれば、より多くの皆様に3タテすべて揃った素晴らしいGTMを鑑賞できるはずです!!でも新規オープンの劇場に、ドリパスのリクエスト作品が入れる余地はあるかしら…。

 いずれにせよ、そのうち映写機は更に高画質化して入れ変わっていくでしょうから…「あちこちで”ちゃんとした”ゴティックメードが観られるようになるのは」あと5年先かなぁと当てずっぽうに考えています。奇妙な作品ですよね😂
 でもあの臨場感は劇場に大いに依存しますし、今の時点では残念ながら一部の主力スクリーンでしかその魅力をカバーしきれてない。
 今でも劇場側には更に表現力が問われているわけですから、ましてや家庭用メディアではどうなる?恐らく「4の物語しか追えないよ!」と私は強めにお伝えしておきたいです。
※永野護デザイン展で、カイゼリンの登場シークエンスがモニター再生されておりましたけども、ベリンがこの映像について紹介する新作部分以外は、はっきりいって私にはうるさくて(展示作品を集中して見たいからと)邪険にしてました…。
※なので、厳密には映画専用の劇場ではない秋葉原UDXシアターや、ところざわサクラタウンでの上映も今後自分は行かない予定です。

 そんなわけで、富田喜允さんには改めてこの場で、厚く御礼申し上げます。
 私はちょっと狂った(?)いち作品ファンですけども、ゴティックメードの不思議な魅力について、私の知らない切り口を提供してくださったこと、忘れません。(と、どこかの誰か風…。)

コメント

アミノピリン さんのコメント…
あゝ、それで大分のドルビーアトモスで観れたときは感動もひとしおだったのかも知れませんね、私の場合。会場はTOHOシネマズ アミュプラザおおいた、しかも奮発してプレミアムボックスシートでした。
もうロボットの恐さ・カッコよさに呆けてヴィーベなんとか発射のシーンを見逃しっちゃったぐらい…
いや目では見てるはずなんですけど脳が認識しなかった…
初回上映から9年ぶりに観たからこそ、というのもあるでしょうけど。
いやーしかしこのブログは勉強になりますねー、いつもありがとうございます
チーク さんの投稿…
アミノピリン様
 どうもこんばんは。コメントどうもありがとうございます。
 アミノピリン様は大分行かれたのですね!ビーベロックのくだりは私も大変良くわかります^^;何回も観ているはずなのに恐いんですよね。
 残念ながら私は大分行ったことがないのですけども、確か新宿と同じ時期に出来た劇場のはず…と確認したらやはり新宿とほぼ同じ、2015年4月にオープンした劇場でした。
 ひょっとすると近年映写機変わったかもしれませんね!そうだといいな・・・。
 新宿は最近劇的に映りが良くなったものですから、大の苦手だったのに、今ではトム・クルーズの新作もここで観たいなと思うほど印象が変わりました^^;(オイ)

 私は映画好きとは到底呼べない(GTM以外では年1観てれば良い方ではないでしょうか。)のですけども、それでもゴティックメードのおかげでそれなりに映画館の構造パターンなど幾つかあるんだなというのは学べました。

 立地条件に加えてどうも流行もあるようで、新宿バルト9やTOHOシネマズの六本木(元ヴァージンシネマズ)などはどちらかといえば見下ろす構造+スクリーンに対して横長の席配置で、「ベストポジション席」の割合が少ない。でもこの間出来たばかりのTジョイ所沢などは逆に画面大きさの割に距離が近すぎて、視線が追いきれず、見切れが若干発生する&何より目が疲れる。
 迫力を取るか、快適な鑑賞を取るかというのは難しいところなのですけども、TOHOシネマズさんとしても色々限られたスペースで作品を良い形で届けるように設計時から色々苦労されているんだなぁというのはこのごろ思うところです。(しかも建物については出来ちゃうと中々変えられないでしょうし。)

映写機の寿命も、フィルムの頃とは明らかに変わっているのではないでしょうか。家庭用のテレビ画質もどんどん大きく質も良くなっています。でも映画館用のはきっと高価でしょうから大変ですよね。

 余談ですが今日我が家に今年発売されたポータブルCDプレイヤーが届きました。
 え?ポータブルCD??という驚きもあるかも知れませんけども、昔のCDウォークマンの子孫のようなものです。
 でも2025年においてはやはり当時と音質が違いました。更に、特に2010年代以降の新しい録音のCDを聴くと、CDやっぱり凄いなぁと思いました。恐らく録音機器も向上しているのがちゃんと再生されるのですのね。
 ゴティックメードについて書いたこともそれに似たことなのかも知れませんね。
https://www.fiio.jp/products/dm13-bt/
青いレーサーB面 さんのコメント…
先日の新宿での上映,ドリパスでチケット販売が始まった時は会議中で,購入することができなかったのですが,その後チークさんのSNS投稿でプレミアムボックスシートの販売を知り,無事購入,見に行くことができました.
まずはありがとうございました.

さて,ゴティックメードの映画,公開時には全くの無関心でした.こんなこと書いたらファンの人に怒られると思いますが,当時は,永野先生は自分の拘りを貫いてFSSを放置してしまった気まぐれな人,FSSの続きはもう書かれることがないだろうから読む価値なし,と評価していました.

その後,FSSの連載再開後にGTMの再上映を見た時も,「背景は綺麗に書き込まれているけど,洞窟の中からベリンと神官たちが出てくる動きとチグハグだし,最後のGTM同士の戦いも適当というかあっさり終わるし,なんだか古臭い映画だな」との印象でした.

その後,池袋で見て,登場人物の細かな動きを見て,大迫力の音を聞いて,完全に評価が変わりましたね.
池袋での衝撃が強すぎて,贅沢になってしまったのか,新宿は「まあこのくらいで許してやるか」と言ったところです(笑)

もっとすごい設備の映画館で見るのが楽しみです.
チーク さんの投稿…
青いレーサーB面様
 どうもこんにちは。いつもありがとうございます。
 今回のドリパス、いつもと違って特別席販売の案内がなかったのでSNSでも呼びかける必要がありました。売れるはずなのにほぼ情報流さないのはおかしいですよね。(ハードルがある場合でも、今まででしたら上映成立すれば後日発売すると明記されてたり、販売頁にリンクされてたりしたのですが今回全くありませんでした。運営会社の変更と関係があるかもですが、細かいこととはいえちょっとお粗末な気がしました。)
 いずれにせよご覧いただけたのは良かったと思います。
 
 ゴティックメードの上映時のあれこれについては、幾つかのFSSファンの反応があったかと思いますが青いレーサーB面さんのような応対されている方も決して珍しくはありませんでした。
 大まかに書けば2012年の公開当時
・ゴティックメードはファイブスター物語じゃないとされた→だから観に行かなかった。
・ゴティックメードはファイブスター物語じゃないと(永野先生に言い聞かされて)言われてオリジナル作品のつもりで観に行った→違っていた。「騙された!」

 この2パターンは間違いなくいらっしゃり、前者は青いレーサーB面さん、後者は私のパターンです。
 ところが後者はさらに分岐があり
・FSSだと知ってもそれ話したらネタバレだからと映画のことを語れない(皆さん口をつぐんでしまう。どうしてあれもこれも要素が違うのにFSSなのかも当時分かりませんでしたし)
・FSSじゃない、と言ったじゃない!永野先生の嘘つき!とした方(それでFSSからも離れてしまった方を私は何人か知っています。残念ながらその方々は作品に戻ってきてないような気が…)

 こんな状況でしたから話題が広まらず、実は公開当時FSSファンでも映画を観に行かれた方は実は多くはないのではないか?と見ています。(公開範囲も広くありませんでしたし)
 その後FSSのメカデザインがGTMになり、ドリパスなどでご覧になった方から次々と聞かれる言葉、「あの時はFSSの映画じゃないということだから観に行かなかった」とされた方のなんと多かったことか!!
 どうして永野先生と井上伸一郎さんはこの映画について公開当時そんな戦略を立てたのか、未だに大いに疑問視しています。
 私自身、嘘つき!と言ってファン界隈から去ってしまった方に何も声かけられなかったですから…(私も嘘つかれた気分でいっぱいだったことに変わりはありませんでしたから。今こうしてFSSについての何かを書いているのか、思う所がほんの紙一重の差だったと思います。)

 そして私自身は偶然梅田ブルク7のドリパスに出かけていたので「こんなにゴティックメードって凄いんだ」と思えるようになりましたけども、「ラストシーンだけがこの映画の価値」あるいは「メカシーンだけが(以下同文)」と仰っている方も少なからずいらっしゃり、映画館に行くたびに違和感を感じてました。(まさか喧嘩売るわけにも行きませんし…)一体あの時の経験は何だったのか?と理解するのに10年近くかかってしまいました。
 フィクション作品ですから「個々の好み」はあるはずですけども、この映画はそれだけじゃないよ、と説明しきれなかった体験をここのところ青いレーサーB面さん含む多くの方に味わっていただけて本当に嬉しく思っています。
 
 TOHOシネマズ池袋の音響はすこぶる良かったので、モデルチェンジしてしまったのが気がかりですけどももう一回確認したいと思うのですが三面スクリーンって、映らない2面分があることが気にならないのか気になりますね^^;