「システムの淡い恋物語、花の詩女ゴティックメード。」に抜けた部分も追記^^;(2016作)

 
 30箇所、後々札幌も加わった31箇所スタートしたゴティックメード再上映、再上映も折り返しに入ろうとしておりますけども、そうこうしているうちに間もなく11月がやって来ようとしています。
 映画「花の詩女 ゴティックメード」が公開されたのは6年前、2012年11月1日のことでした。(Twitterに用いられるタグが #GTM_1101なのはこのためです。当時はまだタグは英文のみでしたっけ…←忘れました^^;)
 当時の衝撃はこのブログにも収まっているので探していただくとして?^^;「あれ、ツバンツヒ?え、破烈の人形?…えええええレーダー9じゃん!!」という超特大の爆弾でかき消され、FSSに連なるネタバレ関連をどう避けて感想を書くべきかと、興奮しつつもずいぶん思い悩み、当時はあれが精一杯だったけども、それしかまったく頭に思い描けなかったあの時の自分を現在では苦笑しつつ、それでも今回の再上映ではじめて御覧いただいた方も少なくないようで、そんな皆様のご感想を読んでは、色々な思いに動かされています。
(でも公開当時からあの人物をレーダー9と信じ続けられたのは自分、ちょっと偉かった^^;その後色々な方とお話していたらどうも少数派だったみたいだから…)

 今回こちらの記事をを書くにあたって数え直しましたが自分はどうも23回(12月の柏は入っていないです)GTMを観に行っているようです^^;でも、いつ観ても自分の心にまっすぐ訴えかけてくる作品です。永野先生に人と人との、一生をも変えてしまう出会いの大切さと人生について、いつも大いに問いかけられている思いがします。(これはFSSでも時折見られますが)
 今思えば、ゴティックメードは「第三皇子がフィルモア帝国初代皇帝となるきっかけのお話」なのだから、ラストの青年が「星がなくなるという途方もない困難に立ち向かう、フィルモア帝国最後の皇帝の歩み出し」であるのは当然なのかもしれませんね。彼の人生はまだ漫画で少し描かれているだけですけども…。
 そんなことを思いながら、2年前配布物のみに書いた「システムの淡い恋物語、花の詩女ゴティックメード」を置いていくことにします。(恋物語としたのは、GTM公開直後の舞台挨拶で永野先生がこの二人のことを淡い恋物語と表していたからです。そうだよね…でなきゃトリハロンさん、騎士の能力まで捨てないよね。映画のあと、彼は一度もGTMにも乗らず、剣も取らなかった。戦争ではなく外交という戦いだけで皇帝にまでなったということなのですから。)
 ただ当初、書いた当時のまま掲載するつもりでしたが、今読み直すと文章にものすごく肝心なことが抜けていたため今回補足として慌ててツラツラ記しております^^;
※本文は段落以外そのままにしております。

 それは、この部分はへっぽこの予想でしかないので適当にお読みいただきたいのですけども…。「投げかけられたロープはやがてとある人物に集約していくこと」を下記に書いてますけども、その人物と、レーダー9とは子孫である…1000年位間が空くので遠い先ではありますが、つまり血縁関係にあるだろうと思っていることです。
 トリハロンの(完全な直系ではありませんが)血は多分ここまでたどり着くだろうと自分は見ています。(余談。下記文章で触れられている星団暦2000年前後のフィルモア皇帝、ヨミ・フィルモア2はフィルモア二大王家の血が交わった大変大きな存在である事が分かりつつあるのですが、同時にここから新王家は発生していないようなので彼はトリハロン同様の独身だった可能性が高そうです。)
 それは映画ラストの皇帝のアップと、その人物の設定画やかつてのNT表紙をを見た時に、同じスカイブルーである(FSSは碧眼の人物って意外と少ないですし)ことからずっと思っていることです。※余談ですがコーラス王は顔はそっくりでも全員目の色が異なります。
 ただ、レーダー9の答え合わせに5年かかった事ですし、一体こちらの答え合わせはいつになるのか、さっぱりわかりませんけどね^^;

システムの淡い恋物語、花の詩女ゴティックメード。

(2016/08作)
 映画ゴティックメードを最後に味わったのは今年の3月の福岡。またどこかで観たいなと心から思っています。
 作品としては70分強と決して長いものではないけれども、だからといって駆け足で巡るものではなく、むしろ物語に登場したセイラー船の如く、ゆったりとした流れに時間を、映画館だからこその大画面の体感とともに身を任せられる大好きな作品です。
 はじめましての方には、膨大な世界の入り口としての簡潔な心優しい物語としても映りつつ、ファイブスター物語に強力な形で映画の刺激が染み込んでいく。
 漫画の効果音、色、ロボットの動き、ジョーカー世界に絶えず吹く心地よい風。そして声が漫画の白黒の世界にシンクロし、ページをめくった時の情報量が飛躍的に、想像の翼とともに助けになっていることに今更ながら気が付きます。
 映画ゴティックメードをご覧になられた皆様は、ファイブスター物語13巻に、顔ははっきりしないけどもまた違った衣装で登場してきているトリハロン皇子(漫画では違う呼ばれ方をしていますが)がどんな視線でどんな口調で、何を語ったのかすぐに思い出せますし、(衣装はひょっとすると、語り手のダイ・グ・フィルモア5が見聞きした伝承イメージが時間をかけて再現されているのかしらという感じも受けつつ)映画での彼の声はそのままあの方・・・ノルガン・ジークボゥの言葉に、話し方はちょっと違うかもしれないけれども置き換えられて紙の向こうから聞こえてくる。
 トリハロンが振り回したガットブロウは、擬音を実体化してメル・リンスがカイエンに下した一撃になって威圧感とともに思い起こされ、ツラック隊の周りにはいつもあの風がそよいでいるような感覚を覚えるのです。

 突然フィルモア帝国創立の経緯の重大なエピソードとなって私達の前に飛び込んできた映画作品の70分は、一組の少年と少女の出会いと別れの話でもありますが、(しかもその時間に恋愛のような急激な関係構築のドラマは入ってこない)同時にファイブスター物語の根底に流れている一つの仕組み「人間とシステムの話」を忍ばせてきています。(FSSは更に、ここに神様や人間でないものも大勢混じってきますけども・・・)
 映画では新人の・・・特殊な技能を持つ、シャーマンのような役割を果たす詩女として登場してきている少女ベリン。少女らしい喜怒哀楽や若さを見せつつ時にはトリハロンとぶつかったりもしますが時間が立つにつれ段々と、彼女がただの女の子ではない感覚がうっすらと伝わってきます。しかし映画では少女のままでフィナーレを迎えた彼女の真の名前は、エンディングでごく一部の者を戦慄させ、更にファイブスター物語の13巻を手にとった読者を驚かせた訳です。
 システムが一人の少年を導いたとも取れるわけです。しかしシステムとはいえベリンは決して機械ではなく、FSSに先に登場した炎の女皇帝と同様”泣きもするし、恋もする”生きた存在です。
 神様とも違う、しかし人類を遥かに超越した人工の生命が、(素質やベースとなる家系があるとはいえ)ひとりの少年を世界の安定化に貢献できるように志を持たせ、結果彼を長く続く巨大な帝国の始祖にさせてしまった。この大きなうねりはやはり、ジョーカーの人類が抱えている謎・・・モナーク・セイクレッドから人類を解き放つために投げかけられた一本のロープのようなものなのでしょうか。

 そして現在は炎の女皇帝を代表的存在とする「恐らく、今あるジョーカーの世界を根底から支配しているモナーク・セイクレッドとは相反する為に誕生してきた人類の鍵」となる存在は、一部は詩女という記憶システムによって普通の女性たち(現在のジョーカーの人類はモナークの枠内にあるものの、それまでの歴史の中で作られてきた存在・・・騎士や魔道士という超越した力がごく一部の人間に発現しています。彼女達はその能力と記憶システムが結合して誕生した超常した人類ではないかと私は考えています。ただあまりに強力だから彼女達も相当慎重に振舞っていると感じられます。)に代々受け継がれ、また女皇帝の子どもとして(その姿形は違えど)誕生したごく一部の超帝国剣聖やユニオたちは基本はその力を直接現在のジョーカーの人類に投げかけることにはまず使わないとは思うのですが、それでもベリンはトリハロンを導いてしまった。
 しかしそれもまた「命あるもの同士がもたらした素敵な物語」だと思うのです。
 そして、ジョーカー世界に取り残された超帝国剣聖のひとりのDNAを利用してこの世に誕生した、戦争の道具にしてはあまりに美しく優れた能力の持ち主であるファティマ・ファティスたち。
 彼女達は名目上は炎の女皇帝の孫ということになるようです。ファティマは人類の恐れと奇異の目から生きることですら困難を強いるようなレールを敷かれ、その上でしか生きていけないのですが彼女達も実は世界を変えていく鍵を握っている。ベリンとトリハロンのようなドラマは既に形をいろいろ変えてファイブスター物語に数多く出現していると思います。
 その人類とシステムとの営みの数々がもたらした究極の・・・ただし恐らく想定外の恩恵が、神様アマテラスと、ファティマを超越した人工生命体であるラキシスの誕生と彼らの恋路であり、二人の行動が人類の種をジョーカー以外の世界に放出していくきっかけを生み出しています。
 そしてシステムが目指した本来の目的・・・ジョーカー世界に横たわっている仕組み・・・モナーク・セイクレッドに膨大な時間をかけて投げかけられ続けたロープの束はやがて一人の少年に集約され、4100年にモナークが沈黙するきっかけを生み出すのではないでしょうか。
 その少年の名前はラベル・ジューダ。将来のコーラス6。
 彼は人工の女神クローソーとファティマの第一号であるフォーカスライトと、超帝国剣聖ダグラス・カイエンを支えたアウクソーとコーラス王朝の守り神である最強のGTM、ジ・エンドレス、そしてカイエンとファティマ・クーンの血を引く、システムと人類の間の子マグダルに見守られながら・・・本来の彼が目指す人生であるアマテラス打倒とも違った宿命を知らず知らずのうちに背負って歩いていくことになりそうです。
 ・・・実際その時になったら、もっともっと多くのシステムが、ひとりの人間である彼に手助けしつつ、少年を導いていくのかもしれませんね。

 しかしそこまで至るにはまだまだ膨大な質量の物語が明かされる必要があるわけで、とにかく今現在の私は、恐らく2100年のアマテラス誕生のきっかけを秘めているのではないかと思われる2014年の「聖宮ラーン東宮西宮の乱」と、事件に登場するトホホの詩女・・・^^;違った輝きの詩女、ライヒ・ナカカラとヨミ・フィルモア2との淡い恋物語も含む登場人物たちの躍動がはやく見たい、読みたいと思うこの頃です・・・。
 もちろん映像でも大歓迎です。でもだとしたらいつになるのかな・・・。
 そうなったら当然GTMカイゼリンも登場してくるのだと思います。花の詩女で「氷の女王と」表現された高貴なロボットは、実は色々な光を放っておりある時は炎の女皇帝よろしく炎をまとって登場したりしていますから、この時はひょっとして眩しく輝く姿を見せつけたりしてくれるのかな・・・と思うのは、おっとこれはいつもの、どうしようもないへっぽこ予想です^^;



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