ファティマ図鑑その1 ラ・ベルダ編~ファティマ・スーツとデザインと物語



 現在ツイッターにて #ファティマ総選挙2018 が7月2日まで行われているため、私も下手なイラストを描いたり付け足したりして票を時々入れていたりしていますけども…… 
 今回切り替えたトップ絵のウリクルは、捏造アシリア・セパレートですけども色と靴下(どうもブランドものに時折見られるロゴ・シグネチャー系統は好きでなくて^^;そこだけすみません、勝手に変えてしまいました)以外はほぼコーラス・アシリアだと思います。これは純粋に総選挙のために手がけたものです。
 そして締切までもうひとり描いてみたい方がおり、その下書きまでしたところで…
「いやブログの手入れもしなきゃアカンのでは?(自分のイラストなんて枯れ木にもならないし…)」と我に立ち返り、こちらに急ぎ戻り予告していたミニ連載「ファティマ図鑑」について書いていこうかと思います。

 そんな訳でニュータイプ7月号、最新の連載にて突然カラーで輝かしく登場してきたファティマ、ベルダ(絵と題は一応ラ・ベルダとしました)についてです。
 でも彼女何十年もかかってようやく出てきたけどもまだ一言も喋ってないじゃん!
 そんな状況ではあるのにこの謎連載?のトップバッターとしたのは…

「ベルダの登場している箇所、62頁にある彼女のマスターの台詞は、ここ2ヶ月のファイブスター物語連載扉に対する読者への説明であって、単行本などでFSSを追っている方にはいきなりこのシーンが出てきても意味不明では??」
 ということからではなく^^;(まさかDESIGNS1にはなくて改訂版2巻にあったベルダについての説明から、予定が突如変更され、騎士でGTMの設計ができるこの方がクラックさんになったのではないか、という疑惑は疑惑のままにしておきたいのですが…)
 え、書いてる?^^;

「はて、このスーツはアシリア・セパレートなの?」ということでした。
 自分でも下手なりに今回絵を描いてはみたけれども、この方にはヘッドセット(ワイドレンジ・ヘッドキャパシタ)は付いているけれども、肩にも肘にもヘリオス装甲なパーツ(肩はショルダー・アンブレラ、肘はバニング・スタビライザーという、らしい…^^;覚えられないので)がついてない。
 最初これはラキシスやパルスエットだけが持っている「ダブル・アライメントスーツ」なのかと思ったけれども、でもヘッドセットだけ見るとアシリアっぽいし…。
 勿論このときは戦闘時ではなく、今は要らないからとそういったパーツを取り外ししてるのかも知れないのだけども、でもこのシーンの彼女はリンリン(オイ!)しているのよね…

 その後で描いたウリクルもそうなのですが、そういえば元ネタとして持ってきたシクローンのコーラス・アシリアには肩パーツはあるけども肘パーツはない。
 14巻に登場してきたバッハトマ、ウモス、ロッゾ、ガマッシャーンAFたちも肘パーツは付いてたり付いていなかったりします。(むしろ付いていないほうが多い)
 となったところにこの肩パーツすらない、でもキラキラ光り輝いているベルダの登場だったのです。
 
 アシリア・セパレートという戦闘スーツ、当初発表されていたAFさんたちには皆さん付いていたこれらの肩、肘パーツ、おまけに靴も(靴については後述します)みんな光線を発していて全身がキーン、キラーン、リンリンしていたわけですが、(映画ゴティックメードのラストシーンなどは象徴的ですらありましたよね)これらはひょっとして、次第に簡略されているのでしょうか。
 「単にミラーボール的にキラキラしていたわけではなく^^;」きっと何らかの兵器としての機能がついているからああいう「GTMと同じ武器装甲を纏うという、武将の鎧的な衣服であるアシリア・セパレート」があるのだと思うのですけども…
「え、肩パーツもいらないの?じゃあアシリア・セパレートってヘッドセットとかぼちゃパンツ(オイ)ならばOKなの?」という気分になってしまったのです。
 残念ながら私達はその実物を触ることができないから、単独ならGTM制御可能なデカダン・スーツと、集団戦闘で用いるアシリアの大きな違いである「ロボット装甲そのまま用いた衣服」という側面。
 漫画や設定画だけではその兵器としての違いは伝わりにくいのです。
 
 勿論これは物語ですし、永野先生の作品の魅力の一つである「多彩でかつ華麗なデザイン」を無視することは私としてもできません。
 しかしアシリア・セパレートという戦闘服、当初は「GTM戦闘で多数のロボットを一斉制御するための装甲服であり、その機能から集団で運用される騎士団向けでありまた非常に高価である。(フリーの騎士ならば片手落ちだけどデカダンで充分である)だからSMLのファティマ基準でサイズがあって貸し借り可能、あるいは死亡してしまったら他のファティマに使い回される」
 という制服的展開だったのに、物語が進むに連れ段々と「アシリア・セパレートなのにカスタマイズ化されたようなスーツを着たファティマ」が増えてきて、それはそんなファティマを所有する主人の騎士がお金を持っているという表現なのか、また他のAFが着る制服的なアシリアとは別の機能があるのか、私には今のところ判別できませんけども、その異形性までが簡略されてきているのはちょっと疑問符を抱かざるを得ません。
 どう見ても制服的に描かれていた同国他ファティマとは細かいところで色々ディテールが異なっていたマドリガル・オペレッタやヴィルマ、令令謝は自動車でいうところのドレスアップとか、そんな要素なのでしょうか。色だけならば「ヘリオス装甲はどんな色にでも変えられるので、透明にも他の色にも調整できる」という文言があるからビルドの真紅スーツはまだわかるんだけども…

 まあバランシェファティマは超高級品だからシアン夫人のデザインしたカスタマイズ・アシリアを持っている。(ティスホーンのアシリアはそんな影響下にありますよね)
 あるいはAKDは天照が大金持ちだから、AFは各自デザインされたアシリアスーツをミラージュ騎士は所持している(ヌー・ソード・グラファイトの死亡によって別のマスターを得たパシテアもそういう説明でしたよね。ベルダもそうなのかもしれないけど、でもパシテアは肩も肘もパーツがしっかり付いてるのですよね…)という事だからその線で納得をすれば良いのですが、だとするともうひとつ疑問が出てくるのです。

「なぜ天照はダブル・アライメントスーツを採用しなかったのか」という点です。

 もうシアン夫人に散々色々頼んでるしお金がベラボーにかかるからもういい!というお話なのかもしれませんけども、デカダン・スーツとアシリア・スーツのいいところ取りであるダブル・アライメントスーツは兵器としても大変優秀であると思うのです。(パルスエットも重さを感じさせないと言ってますし)
 天照はアシリアのデザインカスタマイズ以上にそちらを優先、あるいはもうラインナップが出来上がっていたとしてもそちらに変更することは(彼の財力ならば)すぐさまできたと思うのですけども…
 ヒュートランがあのメチャクチャな猫耳ヘッド・キャパシタを重いと言っているように、ヘリオス装甲の鎧服は彼女たちにも負担になっているところがあるのです。
 そんな兵器の機能性向上としては…例えば0,001秒を削るのにチームによっては開発予算を問わないフォーミュラ1のように、その性能を上げるためには本来予算度外視、ましてや国家騎士団やAKDとなれば富国や国防にも関わりますしそうしてでも武力向上を求めるのが軍隊としてのセオリーだと思うのです。(だから各国家の軍の予算は莫大なのでしょうし)
 ダブルアライメントが採用されればファティマの負荷も減り、その上で彼女たちの性能向上につながったりすると思うのですけども…(そして大量生産されればコストもいくらかは下がる)

 でもあの衣服は結局「ファティマとばれないためにオーダーした」ラキシスと、偶然手にすることとなったパルスエットにしか行き渡らなかった。何故か天照ですら採用しなかった。
 ラキシスは見事にGTMガーランドのミースまで騙せましたし(でもあの頭飾りでは人間だと思えないんじゃないの?というクエスチョンはつくけど)パルスエットはあのスーツのおかげでジークを助けることができました。
 物語のための衣服、としてダブル・アライメントスーツは大変優秀でしたけども、価格面以外ではアシリアに比してウィークポイントがなかった兵器のひとつが、どうしてそんな形でしか残らないのは謎が残ります。

 そしてアシリア・スーツの中でもっとも謎なのが「モーフィング」です。
 ひょっとするとやたら輝いているベルダのあのスーツも実はモーフィングで肩パーツとかもニョコっと出てくるのかもしれませんけど…。
 13巻でタイ・フォンがマンティック・モードからアシリア・スーツへと全く違うものに変形して私達を驚かせましたけども、実はDESIGNS4でファティマの靴はモーフィングでパーツが飛び出してくる、靴は見ただけではわからないという説明があります。
 つまりモーフィングは兵器として実用化されているのですね。
 それならば他のパーツも、いやタイ・フォン以外の他の方のスーツも、あるいはGTMだってモーフィングにすればいいのに、と思ってしまうのは乱暴すぎるでしょうか^^;いやそこだけ実にSFなので理屈がよくわからないのです。 
 永野先生、大抵の兵器には数値だったり文字だったりでディテールを作り上げ、具体的な説明を通そうとしているだけに…
 (追記。モーフィング装甲は重い。という永野先生のご説明がありましたね。となるとタイ・フォンは相当重たいスーツなのかしら…^^;)

 話が大変とりとめもなくなりました。長くなり、またベルダともあまり関係なくてすみません。とはいえ最後に…
 集団戦、イントラネット、あるいはクラウド的制御がファティマに求められるようになり誕生したアシリア・セパレートという「着るGTM」、これらはかつて発生したプラスチック・スタイルのような「ファティマの外見露出制限を課され誕生したもの」とは目的が全く異なります。
 プラスチック・スタイルのままでは14巻のベラ国攻防戦のような画、各国家のAFが大集合する図は描きにくかったと思います。
 というのもプラスタは「おそらく制服のようにデザインを統一すると物語で一体誰が誰だかわからなくなるため」制服的な戦闘服を採用している国家でさえプラスタでは皆さんファティマ一人ひとりデザインが違っていました。
 そういった中であのAF団を書こうとすると、その一人ひとりはモブ的な画だとしても、スーツデザインを全員違うものに描いていかなくてはならなかっただろうから永野先生だって発狂しそうですよね^^;そういった意味ではアシリア・セパレートになって国家戦闘制服的になったことから、基本は同じ、その上でSMLというファティマの型別違いが伝わればよくなったのでああいったシーンが出てくるようになったのだと思います。
 しかし、そういったスーツの特徴、また今までのデカダン・スーツやサービス・スーツなどの「ファティマの個性が出る服」も現在物語にちゃんと継続されているにも関わらずアシリア・セパレートの機能が変わったり?またキャラクターによってディティールまでがカスタマイズされるのは…これって物語の彩り、もしくはデザイナーとしての付け足し、それとも単に飽きちゃうの?あるいはちょっと(描くのが)面倒??
とか色々考えてしまうのです。
 AKDのファティマやエスト、カイゼリンを司るコンコードや町?が持っているアシリア・スーツはまだその「希少性、あるいは存在そのものの特異性」が物語に感じられるからまだいいのだけど、そういった兵器設定でいくのであれば、ただでさえ絵の上だけではアシリアとデカダンの持っている違いが伝わりにくいのだからその点貫いてほしいなぁ、などと思ったりしました。
 ベルダのスーツは彼女のマスター、および所属している組織からどんな新機能がくっついているのか、また元いた組織であるAKDカスタマイズデザインの色変更版なのかは現在のところ分かりませんけども、彼女のお姿が大変美しいと思いつつも、最近噴出しているとある感情が、そういう思いも私の中で引き出されてしまうところがあったりするのです。


追伸
 そういえばどうしてベルダは髪の毛の色が、それもどうして緑に変わっちゃったのでしょうね?14巻で登場してきたスパルタは青っぽい感じから→黒になりましたけども…カリギュラ絡みだから?緑の人って怪しいのは以前も述べましたし、その疑問は未だ変わっていないのですが…

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