ファイブスター物語18巻ネタバレ付き感想(後)死者は生きている?の巻

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ファイブスター物語 18 (ニュータイプ100%コミックス)

 ファイブスター物語18巻ネタバレ付き感想後半になります。前半部分は下記リンクからどうぞ。
 なんだか物騒なタイトルがついておりますけどもこれは思いつかなかった為ですのですみません。(まさかオカルト話題とかで引っかからないでしょうね…。Googleさん、これはフィクション内でのお話ですよ!)
 また、
  • 18巻ネタバレ付きと書いていますけども、いつも通り粗筋などは書いてませんよ。
  • でも今回19巻にあたる内容についても若干何かかすめています。(かすってるだけだと思うけど…)
  • また前置きが長く、中身はカオスです😂
 そのことにご注意下さい。

1. この12年疑問に思い続けていたこと。

 このへっぽこブログを定期的に読んでくださっている方にとっては「またかいな」と思われてしまいそうな話題ですけども、この感想文きっかけとして改めて書いておきます。
 12年前の2013年4月にファイブスター物語が連載再開されたときに、物語に登場する多くのロボットデザインと名称が変わり、モーターヘッド(MH)からゴティックメード(GTM)に変更されました。
 当時のネットでの阿鼻叫喚は鋭利さを伴い、剥き出しの感情が四方八方飛び交っていたため今でもあまり思い出したくないのですけども、そんな中でひっそりと変えられていた別の変更点がありました。
「年表が書き換えられ、単行本3巻のコーラス6とディジナ・マイスナーの話がなかったことになっている」(ロボットは二人が出会う前に発見されているし年代も違う)

 私は少女時代にこのエピソードに感激し大泣きしたものですが、この宝物がFSSの物語から突然脱落してしまった。これに気がついた時、もうおばさんになってましたけどもやっぱり泣きました。
 1000年後のふたりの物語が再び読めることを将来の楽しみに、大切にしていたものが突然「なかったこと」になってしまったのだから。
 でも周囲はみんなモーターヘッドだゴティックメードだで大騒ぎしていて全くそれどころではない。2013年当時は勿論のこと、2025年の現在だってこんな変更は多くのFSS読者にとって「些細なもの」でしかないのは承知しています。見た目の変化や、年表の一部の流れとしても殆どの方には大したことではないのでしょう。
 でもその時から、私はこうして駄文をネットの海に投げながら、ある疑問がくすぶり続けていたのです。
「どうしてこの部分が書き換えられたのか?単行本にまで入っているエピソードをわざわざオミットするとは、そこまでして先生は一体どこの何を変更されるつもりだったのか?」と。

2. 最近気になっていたこと。

 そんな個人的なわだかまりとは別として、ブログを書き出してから13年、この頃ファイブスター物語に対して、なんだか気になることが幾つか生じてきていました。そのうちのひとつが
「…この頃幽霊というか、霊体の出現が多くないか?」ということです。
 霊体自体はファイブスター物語1巻の天照の元妻リトラに始まり、その頂点に立ちそうなのが彼の母天照の命になりそうなんですけども(彼女は本当に神出鬼没だし、なんならログナーを助けたりもしている)舞台を降りた筈の死者であっても物語に関与するキャラクターはそれまでも何人か登場してました。
 しかし18巻だけでもインタシティ、パルスエットと出ていますし、トリハロン皇子だなんてひょっとしてフィルモア帝国内で彼の存在が宗教化してないかい?とこの頃思うほどです😂
(ジョーカー太陽星団に宗教はないはずなんですが…)
 それに2000年辺りの詩女ライヒ・ナカカラもフンフトや茄里に向かってあれやこれやと喋りかけてますし、ファティマ・クーンは半分ファティマ半分霊体になってしまいました。
 何より詩女ラーンは…彼女はラブと共に重要人物に長い年月かけてその時そのとき花の種を渡しているみたいですが…彼女は「生きている」らしいんですけども…ええ?

 と思うと、最近こう考えるようになりました。
「霊体は別に天照の神の力で出現してるとか特別なものではなく(命様は影響ありそうだけども)人間がやがて訪れる肉体の死で何もかもが消え失せるのではなく、データなのか何かだかわからない“登場人物を構成する要素”が世界のどこかに残っていて、そこから発信され本人の意思でジョーカー太陽星団に再登場している。」
「ただし霊体は意思はあるしどこでも現れるものの(16巻のクーン)、この世の人間に対して声はかけられても触れたり力を行使したりするのは基本不可能(でもスコーパーは預言を伝えられる)」
 なのかなぁ…と思うようになってきました。

 ”登場人物を構成する要素”、それは当人記憶だったり容姿だったり能力(騎士やガーランド、グリント=ツヴィンゲンなども超常の能力も含む)だったり性格など様々だと思うのですけども…。
 大まかにはこのあたりのことを指すとして、ただ言葉としてあまりに抽象的かつ長いため、それらをここからは「エニグマ(パズル)」として仮定してみるとします。

 エニグマの中でも、どうも人物の記憶については(これ13巻以後の変更のような気もするけども)現在のジョーカー太陽星団でも、人の手によって保全したりコピペ出来たりしているようです。(フォーカスライト→アウクソー→デルタ=ベルンへの扱いや、映画ゴティックメードでトリハロン皇子が言ってる"脳内インストール"とかがそうなのかな?) 
 昔で言えばセル画、今ではデジタルイラストのように「エニグマ」は多数レイヤー化され、それぞれの要素がいくつもに分離した状態で構成され、全てをまとめると一枚の絵になる(ひとがたになる)いったような感覚に近い気がします。
 記憶はエニグマのなかのいちレイヤーであり、そこだけは現在もガーランドが引っ張り出したり移したりと操作できるといった感じでしょうか。

 そして、その要素を最大限に利用した存在がファイブスター物語に最近登場しています。
 それは16巻に登場したF1ファティマ達。
 先先(マーター・マーター)は「ファティマ・ヒュートランを母に持ちながら、母から犬猫と喋れる能力、ワスチャ・コーダンテの容姿と性格、クローム・バランシェ博士のガーランド能力」も併せ持っています。(もっと他にもあるかもですが)
 恐らくヒュートランは「どこかから登場人物のエニグマを複数持ち出し、まるでアイスクリームの味とトッピングを決めるようにその中から希望要素を選択しており、」
「ファティマ・アイエッタが内包しているというなんちゃら式によって生まれてきた娘としての生命体が先先である。」といった感じなんですよね。
 そう思っていたのですが、18巻の零零のキャラクターシートにどうしてF1ファティマが出来たのか書いてありますね。…一応まぁ、合ってたのかな…エニグマが物質でなく数式のようですが。

3. 死者は生きている?は言い過ぎでもどこかに存在している。

 そんな感じでFSSにおいては「登場人物の全要素は、例え死んでもどこかに素粒子あるいは数式として存在し、当人の意向があれば時々”霊体”として現れたり喋ったりもする」といった感じなのかな…と思っています。
 ただ数式じゃ喋れませんから、誰かが今生きている登場人物に向けて呼び出したりしているのかなぁ…とも思いましたが、でも霊体の登場は自発的な感じもしますし、その辺りはどうなっているのか未だに謎です。
 でもそう思うと、私の中であることが頭をもたげます。
 18巻のファティマ・リレーからの天照の言葉「今はもうこの世にいないバランス家の4人の娘たち~」とは?
  • フォーカスライト(オリジナル。記憶を移されたアウクソーでなく)
  • インタシティ
  • 令令謝(オリジナル。零零ではなく)
  • クローソー
 ではないかと私思っちゃうんですが…え?い、石投げないで下さい💦💣💨
 連載時この4人について、永野先生は先の3人まではっきりさせたうえで「バランシェ・ボディやドアランデアスティルーテではない(彼女はどんな形であっても生きていることになっている)」と仰っていました。
 加えて18巻のファティマリレーは一度アトロポスで途切れ、(すえぞうがアトロポスの代わりに伝達を神の力で手伝っている)アトロポスはクローソーのことを思い浮かべているだけだと思っています。(もしも”寝てる”とされる彼女がジョーカー太陽星団で覚醒できるのならばジュノーのところで起こされるはずですが…。)
 そしてクローソーがそのポジションならば、3070年現在では霊体でひっそりとコーラス4を見守っている(14巻のミキータ・オージェの千里眼でナオ・レイソル・リンドーに映されている)というのも一応正しいことになっちゃう気がします。
 クローソーは2巻で「コーラスのお子様たちを見守っていく」と語っていますものね。

 となると更に…。
 今回「力を使い果たし寝てしまった」チャンダナについても、恐らくクローソーと同様、もうこの世にはいないと見るべきなのかとも思います。(霊体として物語に出てくる可能性がないとは言えないけど)
 単行本巻末に何故かヴィン=ティンと一緒に掲載されているのも、彼女の外観イメージは今後彼女に受け継いだ、ということなのかも知れません。
(ヴィン=ティン、カラーシートで出てるのに彼女本人の説明がないのがなんとも気の毒ですが。がというかちょっと前の17巻にもヴィン=ティン出てるのに急に顔立ちが変わってしまった気が…。)

4. 霊体でなく世にカムバックしている唯一の人達「転化した超帝国剣聖」

 一部の読者さんには「とんでもないこと!」を書いてしまったような気もしますけども、ここでちょっと話題を変えます。
 ジョーカー太陽星団の人たちは元々長命ではありますが、ただ一般人は例え騎士やガーランドなどの特殊能力を持っていたとしても、寿命に限りがあります。
 ただしFSSにはもっとさらなる長命の人たちがおります。ちょっとここでどんな人達か、上げておきましょう。
  • 天照の帝及び神様方→無限大
  • ファティマ(人工生命体)→最初の人たちは寿命があるけども、その後の開発が進み、今は生きていればほぼ無限。ただし騎士の7割の身体能力しかなく、ただでさえ人間に従順なうえに法と「ダムゲートコントロール」で生き方ががんじがらめ。
  • システム・カリギュラの人たち→いわゆるサイボーグ?であるが多くが超帝国の偉い人たちのコピー。(コピーということはオリジナルよりは劣化がある。)ただし現在のジョーカー太陽星団の人類殆どより能力があり、明らかに超命。また長い期間生きてアタマの良い人たちが研究してきたことにより、変形などの異形が使える。
  • F.U.ログナー→炎の女皇帝がレディオス・フォーカスライト(初代収光帝)に託したドウター・チップによるクローン再生。能力そのままが写されるが、成長に人間と同等の時間がかかり、個体寿命もほぼ人間と同等。(ただ今のログナー全然成長しないのよね…)オリジナルのログナーは別の再生方法があった様だが詳細不明。最後のログナーが死ぬ寸前に天照の命がドウター・チップを用いた。
  • ヴィーキュルとかその辺りは…置いておきます😅
 ただここで「あれ?この人たちは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
 それは「炎の女皇帝」ことユニオ3です。
 彼女と仕えているかつての超帝国騎士たちも自分たちの寿命に限りがあることからと9巻で姿を結晶化させていたはずなのですが、(13巻でモナーク・セイクレットにいたときは結晶化した姿について言及されている)でも現在彼女は詩女ムグミカが持っていたセントリー・カラットの命の水によって「あの世から復活し」何故か楊貴(幼生)に取り憑いた形で生きています。
 そしてマドラ・モイライ(プロミネンス)、ナオ・レイソル・リンドー(クルマルス)、バーナー・恋ダウド(オージェ)らの「7剣聖」。(カッコ内は超帝国剣聖名)
 彼、彼女らは超帝国騎士の記憶と能力を内包した騎士…この方達のの寿命そのものはどんなものか分かりませんし、どうも記憶と能力の全てが内包され完全となるには個人差があるようですけども(マドラの不安定さや、ナオの騎士能力が現時点ではパッとしないのはそのため?)ジョーカー太陽星団の別人として生を受けながら「超帝国騎士の人格と能力がやがて内包し」すごい力と、記憶を受け継いでいる彼ら。
「その彼らはどういった仕組みで誕生しているのか??」というのはとても気になるところです。彼らは自分たちに起きたことを「転化」と言っているようですけども…。
※ここでララファ・ジュノーンとコーラス王や王族のことも触れなきゃいけないのですけどもよくわからないのでパス(オイ)ただ彼女は優しいという記述から、能力も記憶も渡すけども裁量は本来の人たちに任せている感じなんでしょうか…。ただハリコン・ネーデルノイドがファンタスマゴリアに行ってた関係上、コーラス21~23まではララファの影響を全く受けなかったことは間違いなさそうです。

 ただ炎の女皇帝は転化を自らに採用していない、また、一度は皆さん結晶化したのに現在のような感じになっていることを鑑みるに、「13巻で炎の女皇帝がモナーク・セイクレットにたどり着いたあとでそんなシステムが出来たのかあるいはもっと古い技が発掘されたのか…」そんな所なのかなぁとぼんやりと感じています。
 まだ全然おぼろげなんですが、先にも書いた「人としての構成要素」から、記憶と能力とを式から分離させて、外界の誰かかシステムがそれらしい星団暦の人間に移植している?ような感じでしょうか。
 ひょっとすると時々物凄く不安定になり凶暴化するマキシ・カイエンも、かつてのマドラのときみたいに超帝国剣聖を内包しかかっているのかも知れませんね。この場合もし統合するとすれば(マドラが似てると言ってた)アサラム・スキーンズの記憶と能力といったところでしょうか…。
 7剣聖じゃ「十曜の守護者」に3人足りないから、スキーンズ、ヤーン・バッシュ(ユニオ4…とするとそのうち誰かにつく?)そしてログナーで全員といったところ?なのかもしれません。

 そんなテクノロジーがかつてのFSSの歴史の中に潜んでいるのか、私には分かりませんけども、天照やヴィーキュルの女親分でもあるゴリリダルリハですら知らない、でもイエッタは知っているらしいはるか昔の生命についての仕組み。(きっと詩女や炎の女皇帝は転化システムと謎の言葉について何か知ってそう天照たちに伝えたのだと思いますが)
 ひょっとすると17巻でビューティ・ペール達がやってきた奇妙な人造騎士たちは、単に人工的に強化された騎士ではなく、「かつての強い騎士達のデータというか式?をどこかから探し出し、”人の構成要素”から切り出して無理やり取り込ませた」存在なのかなぁ…という気がしてきました。
 勿論この項目最初から最後までほぼ私のでっち上げですけども、でもそんなぼんやりとした想像からへっぽこが浮かんできたのは…。
「ひょっとしてアララギ・ハイトさんって、将来ダグラス・カイエンの能力だけを組み込まれた人造”偽カイエン”になる??」
「あるいはニセコーラス3とか、ニセダイ・グとか出てこないでしょうね???😱」
なんですけど…(絶対嫌だ💧)

 でもハイトさん17巻で変な誘いに乗りそうだったからなぁ…怪しいなぁ…実はそのおかげで超帝国騎士に転化しました!のほうが私としては悲観的にならずありがたいんですが、見た目がカイエンにちょっと似ている?という妙な要素がかえって変な想像をかき立てるのでした…。

5. おしまいに、最初に戻って。

 変なことばかり書いてしまいましたけども、まぁ忘れて下さい。私も忘れます…。(オイ)
 でも永野先生は「魔導大戦では全てのキャラクターが登場する」と以前から仰っていて、それはどんな形なのだろう?とずっと思っていたのですけども、回想シーンだけでなくひょっとすると霊体でのご登場や、あるいは変な人造騎士になって再登場しかねないなぁ…と思っているこの頃です。
 今回こんなことを考えたりしていたものですから、冒頭に書いたコーラス6とディジナ・マイスナーのエピソードがなくなったことについても
「そりゃなくなるよね。何らかの命の仕組みが作品内で綿密に存在しており、クローソーのいう”コーラス3のつぎのあなた”ではファジー過ぎるものね」という考えに落ち着きつつあります。
 永野先生にとってみれば「ファイブスター物語における生命の仕組みはステレオタイプじゃないよ、 輪廻転生みたいなありがちな物語じゃない。」といったところでしょうか。

 でもね、でもね。
 へっぽこ一読者の私としては正直なところ
「理解はしたけども、納得したわけじゃないからね!!!!」という強い気持ちです…。(未だに永野先生に”あのエピソードを返して下さい”と言いたいくらいなのですから。)

追伸
 長い長い文章をお読み頂きありがとうございました。あと、ニュータイプ4月号のネタバレ付き感想も先ほどできましたので、良かったらこちらもどうぞ。

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