ニュータイプ12月号でとっても気になることがあるのは確かなのですが、どうしても考えがまとまらない…となったときに ふっと頭がよぎったことがありました。
そうだよ!合法的^^;(違う)にこのブログでハイドンを紹介できるじゃない!!
交響曲第98番(鈴木秀美指揮/オーケストラ・リベラ・クラシカ演奏)
…ということで、ファイブスター物語にて突如登場したハイドンさんにひっかけて^^;いや彼女のご活躍を祈念して、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンのことをツラツラ書いていくことにしました。(オイ)そんなことするのはこのブログだけかも知れませんけども…
いやファイブスター物語というか、永野先生の作品ですとまず真っ先にプログレシブ・ロックからの影響がよく問われますし、皆さんが色々とご存知かと思います。
しかしFSSはロックや一般的音楽用語(コーラスとかフォルティシモとか)と併せてバレエ用語もまたよく見かけます。(オデットやオディール、ジゼル、オーロラ、バレエダンサーのトップでもある称号プリンシパル、あるいは演目であるGTMライモンダやバヤデルカ←これらはグラズノフの音楽でもありますね。)これらとも関連しつつ、クラシック音楽としても、用語としてマドリガル=オペレッタやガット・ブロウのガットは大元は羊の腸(これはバイオリンの弦として使われていました。今はスチールやナイロンだったりしますけども、上の”オーケストラ・リベラ・クラシカ”での動画で弦楽器を奏でている皆様の弦はまさにガット弦です。他の楽器も現代とは色々異なるので見比べるの楽しいです。)という用語も出てきていたのですが、ハイドンというのはまた随分ど直球ものでした。
ここ数年クラシック音楽を、それも古典派を聴く機会の多い私としては大変嬉しくなりました。
とはいえ、ハイドンの名前は聞いたことがあってもすぐフレーズを思い出せる方は多くはないと思います。いちばん有名なのは…交響曲101番「時計」の第2楽章か、スポーツやF1好きの方にはおなじみのドイツ国歌だと思います(ドイツ国歌のフレーズは”神よ、皇帝フランツを守り給え”という当時の神聖ローマ帝国皇帝を称える楽曲が原型であり、このフレーズは弦楽四重奏弦楽四重奏曲第77番第2楽章にも用いられています。)
交響曲第101番「時計」第2楽章
F1ではしょっちゅう聴いている(^_^;)ドイツ国歌のこのフレーズは…
弦楽四重奏第77番「皇帝」のいち場面でもあります。
この辺りはきっと皆様も耳にしたことがあると思います。「交響曲の父」あるいは「四重奏(カルテット)の父」とも呼ばれ、古典派を代表する作曲家の一人でもあるフランツ・ヨーゼフ・ハイドンは私のとても好きな作曲家です…ですけども、彼は大変多作で、交響曲が(本物と分かってるだけで)104曲、弦楽四重奏も68曲あり、他の室内楽や協奏曲、宗教曲やオペラ、ピアノ・ソナタなども膨大であり、私も正直まだ4分の1も聴けていないぞ^^;といった状態。
そういった状況でこういったガイドを記すのは大変おこがましいのも事実なのですが…
でも以前はこういった曲を追いかけるのにCD全集などを買わなくてはならなかったのですが(弦楽四重奏の全曲集はCD25枚分ありました^^;)しかし今では音楽定額配信やyoutubeなどで、試しに聴いてみることへのハードルはずいぶんと下がったように思います。ハイドンのような沢山の作品を残した作曲家や、名前だけは知っているけども…みたいなアーティストの楽曲をまず体験してみるのにはいい時代になった様に感じられます。
ここで簡単にハイドン先生(と我が家では呼ばれています)について。
ハイドンは18世紀後半~19世紀入るまで辺りの、現在のクラシック音楽区分では古典派にあたる作曲家です。(他にはモーツァルトやベートーヴェンがそうです。というかこの三人だけでももう古典派は大まかに区分出来る位影響力が多大ですね。)
若い頃から現在のハンガリーにあるエステルハージ家に宮廷楽長として30年近く務めていました。ボヘミアの地で決して音楽の中心とはいえなかった環境の中、次第にハイドンの音楽は宮廷の外でも評判になるようになり、仕える主君が亡くなった後は興行師ザロモンに導かれるようにロンドンへ二度訪れ大成功を収めます。(オックスフォードで公演が延期になって暴動が起きたほどで、現在のロックスターでもそんな人は中々いないのでは?)
彼は長命だったこともありハイドンよりはるかに若いモーツァルトと世代間を超えた友情を築き上げたりもしています(モーツァルトはハイドンの音楽に感激し弦楽四重奏6曲を2年かけて作り上げ、ハイドンが実際に演奏披露しました。これらは”ハイドン・セット”と呼ばれ現在でもモーツァルトの傑作としてよく演奏されます。)
モーツァルト弦楽四重奏第14番「春」(ハイドン・セットからの1曲)
しかしあまりに沢山ある名曲をFSSファン向けにご紹介…となると、こんなところからどうでしょうか。ハイドンの楽曲は一部タイトルが付いているものが存在しますが、全て「ハイドンがつけたものではありません。」聴衆が、あるいは楽譜出版にあたり後からつけられそのまま一般化してしまいました。
その中でも美しい主旋律と躍動感が魅力的な交響曲88番は別名「V字」と呼ばれています。
また、弦楽四重奏第79番は「ラルゴ」と呼ばれています。これは2楽章のラルゴ(極めてゆったりと)が美しいから来ているようですが…
「え、なんですって、それはこじつけ??」(^_^;)
いやあんまりたくさん曲があるので、こういったダジャレでも何かきっかけになれば…(オイ!)
交響曲第88番「V字」は楽譜出版にあたっての整理番号だったりします(^_^;)
弦楽四重奏曲第79番ラルゴ…というとケンタウリになっちゃうのはFSSファンだけだと思いますけども…(^_^;)
いえ、美しい曲ですよ、曲は(^_^;)
そんな切り口からちょっとかいつまんでハイドンについてファイブスター物語ファン向けにご紹介しただけなのですけども、それでもどうなっているの?という量で申し訳ありません(^_^;)良かったらリンク先や、配信でハイドン、もしくはhaydnと検索して色々さがしてみてください。
だけども、実際の演奏で耳にするのが私のお薦め、一番わかりやすく魅力が伝わると思います。
東京ですと鈴木秀美さん率いるオーケストラ・リベラ・クラシカはいつも何らかの形でハイドンの交響曲を定期演奏会(それもハイドン当時の楽器スタイル)で演奏されていますし、大阪では日本センチュリー交響楽団が、現在ハイドン・マラソンとしてハイドンの交響曲全曲を取り上げようとされています(どちらもCDなどの音源も発売されています。アマゾンプライムミュージックだと日本センチュリーのハイドン音源も聴けます)
また東京、護国寺にある本浄寺にはホールが有り、ここは拝鈍亭(はいどんてい)と呼ばれております。住職さんが大のハイドン好きに由来するもので、拝鈍亭では弦楽四重奏やバリトン三重奏、ピアノ・ソナタなどの様々なハイドンに関するコンサートが行われています。(次回は12/18日、上尾直毅さんによるフォルテピアノのコンサートです。)予約が一切できない代わりにお志で素晴らしい奏者によりしみじみ味わい深いハイドンの世界がじっくりと味わえますので、ふらりと立ち寄ってみるのもおすすめです!※拝鈍亭では他にも落語や講談などの催し物もありますのでお好きな方は要チェックです!
最後に、私からのお薦めのハイドンと、ハイドンにまつわる楽曲を一曲ずつ。
私はこの交響曲59番が大好きで…なにせタイトルが「火事」(^_^;)
一体どうしてこんなタイトルが付けられるんだ…と思いつつ、実際に聴くとなんだかボヤ騒ぎの光景が見えてきそうな気がつい、してしまう(先にも書きましたけども題は全て後世になって付けられています)コミカルタッチがハイドンらしい気がする一曲です。
そして。
私がファイブスター物語をクラシック音楽になぞらえると一体どんな曲を頭に思い浮かべるか?
もしもそんな質問がどなたかからやってくるようでしたら私はすぐさまこの曲だと即答します。
「ブラームス・ハイドンの主題による変奏曲」
この曲はなぜか私にとってFSSの年表と物語を思い起こさせるのです。素晴らしい音楽ですし、元のハイドンの旋律が大変魅力的…と書きたいのですけども、なんと、ハイドンはあまりにたくさんの曲を手がけた故か、「偽物もしくは誤ってハイドン作と伝わってしまった」楽曲もとても多く、ブラームスが作曲した頃はハイドンと思われていたこの旋律は、実はハイドン作ではない可能性が高いことが後年になって明らかになり、「聖アントニウスのコラールによる変奏曲」と呼ばれることもあります。
いやそれでもブラームスの頃はハイドン作と思われてたんだから良いんじゃない?と思うのは私だけではないようで、このまま受け継がれていってほしいなぁ。ハイドン先生もきっと笑っているよ。と思いながらまた改めて耳を澄ますのでした…。
ブラームス”ハイドンの主題による変奏曲”
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