ニュータイプ9月号ネタバレ付き感想~鋭利なオンリーユー。の巻(2016)

リオデジャネイロ・オリンピックが始まりました。永野先生がニュータイプ2014年9月号のインタビューで「意地でも見る」と仰っていたオリンピックですが、4年のスパンと一瞬の勝負という、個と世界におけるハイレベルな競争とドラマの宝庫にも拘らず、この時期は私自身が一年で一番忙しい時期でもあり、中々チェックできなかったりします。
そんな模様眺めの状態でもすでに悲喜こもごものニュースが数多く飛び込んできて、今回は一体どんな方の人生に影響を与えていくのか、大変気になっていたりします。

大変気になるといえば・・・もちろん今月号のニュータイプもそうですよね(;^_^A
ニュータイプ9月号の発売日が普段より1日早かったので、お盆お正月は特別進行の私としては大変助かりました。おかげでここは普段通りにできそうです。
皆様は素敵な夏休みを!(良かったらFSS塾にてネタバレ付きトークもどうぞ(;^_^A)というわけでブログは一旦区切らせていただきます。
※お盆進行のため、ブログコメントおよびSNSでは反応が遅れがちになりますが、オリンピック期間中位まではお許しくださいねm(__)m・・・としつつどさくさにまぎれて自分のパソコン用に作った壁紙を貼ってみる(;^_^A














さてここからはツラツラと・・・
すみません、読んでからまず最初に思ったのが「あれ、クーンどこ行っちゃったの?」という感想だったのは私だけでしょうか(;^_^A
このお話は、単行本7巻(FSSリブートの方は4)にある、アパッチ対オージェ・アルスキュルの対決の後のアトロポスの告白の時に予告されているイラストに基づいたものだと思われるのですが、そのコマでは瀕死のカイエンを庇ったのはクーンと幼いアウクソーだったのですが、実際のドラマではクーンはあの場にいましたが、カイエンに対して命乞いはするものの、直接は行動しませんでした。
決死の覚悟で飛び込んできたのはアウクソーだけ。
あれ?でもクーンはカイエンをマスターと呼んでいるしなぁ・・・何回読んでもこの2人が起こすアクションの違いに私はピンと来なくて、納得するのに多少時間がかかりました。
ようやく分かったのは、DESIGNS3のアウクソーのところを読み直してから。
そこを読んでから、そうか、あの頃のクーンはカイエンを主としているのですが、「クーンはカイエンを拒絶している」ため、表面的には主従関係ではあるけれども、実際のところは冷え切っているのか・・・と書くとファイブスター物語の中ではなんだか変な感じがするのですけども(;^_^A、
しかしこの背景からだとクーン自身はカイエンのパートナーとしてはもうやっていけないと既に判断していて、バランシェ側もその事情も汲みつつそれは自らの研究目的の一部となり、超帝国騎士同士の子孫であるカイエン専用のファティマとしてアウクソーが用意されたものの、まだ彼女は育成中である、というタイミングなのですよね。
勿論こんな複雑な関係はクーンがダムゲート・コントロールから外れたファティマであることが大いに関係すると思います。(少なくとも普通のファティマは、主人からどんなにひどい仕打ちをされたとしても解除されない限りひたすら仕え続けていますから。)
またカイエン自身もクーンとのパートナー関係を捨てきれなかった。彼はクーンとの子供を欲しがった位ですから、ストレートに彼女を求め愛していたのでしょう。しかし彼女がやがてがカイエンを拒絶するのは実は自分の母だからと分かって怒りが製作者のバランシェのところに向かった・・・というのが今回の物語の発端であるみたいですね。
しかし天照の口ぶり、以前ラキシスに語ったカイエンの言葉(何回もバランシェを殺そうとしたみたいな事を言ってますし)それからDESGINS4のカイエンの個人年表からすると、それ以前にもカイエンは実際に反旗を翻して、その時は詩女ジキジディーに封印されたりしたこともあったみたいですね。

しかしクーンは一体、お話の途中でどこへ行ってしまったのかな・・・今にも死んでしまいそうなカイエンを目の当たりにしているはずですが、そのあと、物語後半部に彼女は全く登場してこない。
バランシェと一緒に立ち去ったわけでもなさそうだし、かといってアウクソーの必死のお願いや天照の起こす奇蹟を彼女は目撃しているのでしょうか。そこがさっぱりわかりません。
クーンはこの、メル・リンス対カイエンの対決のあとにセントリー・マグマのところに行くはずで・・・そしてその時、母でありながら子供に色々なことを求められ続けたカイエンから、彼に複雑な思いを抱きつつもようやく解放される展開でもあるのですが、今月号に関してだけを紐解けば、クーンのドラマについては彼女が実際の物語に登場しており、しかもあんな物凄い争いの要因のひとつになっていながらあんまり描かれていないのが少々気になったりしました。

そしてそんなクーンを思い起こしながらふと浮かんだのですが、主人を選ぶのはファティマの唯一の権利ですけども、ファティマは自分から主従関係から解放してもらう権利はないのですね。そんな事を改めて気が付かされたりもしました。(その辺りはナイツフラグスからのパラーシャの描写でもなんとなくわかるのですが・・・)
騎士とファティマの主従関係は、起こりはファティマ側からの選択からで成り立つけども、解消ではそうはいかず、どちらかの命が失われるか、人間側の決断で解除しない限り成り立たない。
勿論ファティマは一度手放してまた手に入るものとは限らないし、お金もかなりかかるから、取得したらずっとお付き合いになるパターンが多いのでしょうけども、ファティマ側は一度決めたら嫌とは言えないのが自分たちに課されたお約束でもあり、且つ生き残るためにおひろめなど限られた機会でも人間達を精一杯分析して、その上で自ら選んだ相手だから、その人物からやがて大きなストレスを受けようとも、主が勝てるように頑張らないといけないのね・・・
クーンもきっと、元は自分の子供ですからカイエンの事もとても大切に思っているのだとは考えますが、それ故に大変重い荷物を背負って生きてきてしまったのかもしれません。
今現在はDr.ダイヤモンドのところにいる彼女ですが、ジョーカー世界の断片を知りつつ、様々な才気にあふれ、戦いに明け暮れたり変な扱いをされる心配も少なさそう(;^_^Aな彼の許ならば俯瞰的な視線でジョーカー世界を観察できるのではないでしょうか。

・・・話がずいぶん感想から逸脱してしまいました。戻しますね。
そして今月号のもう1つの軸である幼いアウクソー…彼女の言葉と行動は大変健気では有るのですがこれまたあまりに真っ直ぐ。それ故残酷な感じすらしました。
アウクソーがカイエン専門に作られたファティマであるのはバランシェも以前ソープに語った事です。
・・・この為に彼女に予め施された超帝国騎士向けの独自プログラムと、傷ついたカイエンを見た幼いアウクソーが彼女に”自分はカイエンだけに仕え、支えるための存在”だと彼女に認識させてしまった。
これは先輩であるヒュートランにバランシェが与えた”自己鍛錬プログラム”を与えた結果、彼女の結論が”最弱の騎士と組み、格上の相手と戦って勝てるようにすることでより、自らを高める”のと同種のものです。
なんというか、アウクソーの意思はその元々設定されていたプログラムが根底に流れているのがセリフでも感じられるので、必死の様子なのは伝わってくるのですが私としては素直に心を動かされない。勿論彼女は正直に話していると思いますけれども・・・。
それをバランシェは・・・彼女を実際どういう風にしたかったのかは私には分かりませんが、ただ超帝国騎士直系の子孫はこの後もデプレやマキシなど未来に誕生していますし、カイエンだけでなくそういった強い子孫などに仕える存在にするつもりはどこかにあった筈。
未来永劫カイエンだけ、では完成されてしまったと考えてしまったのも当然かもしれませんね。

そして、自らに課されたプログラミングから導き出した結論のひとつ・・・仕えるべきカイエンが殺されてしまったら存在意義がなくなるから自分も殺してくれ。とまでアウクソーが思っているのならば、その事を知っているカイエンが彼女との主従関係を解除した時、彼女はやはり同様の理由で死を選ぶ可能性が高いように思われるし、彼も一度は考えるのではないかと思うのですが…でも、それでも魔導大戦の始まりの時、パートナーのままにしていたらアウクソーはカイエンを庇ってボスヤスフォートの前に躍り出て死んでしまうのも(今までの物語から)見えているので、それよりは生存確率が高い方をアウクソーの人生の為にカイエンは選んだのかな・・・。悩ましいです。
それでもカイエンのした選択は正しくて、現在アウクソーは壊れてはいるものの生きています。処分されるかも知れないという生命の危機であることには変わりないのですが…( i _ i )

そんな、特殊ともいえる宿命を人工的理由からしょい込んだアウクソーがカイエンに解除されて、しかも主人がそのまま世を去ってしまっても、ひとまず自ら命を絶たなかったのは、超帝国騎士のDNAから生まれたファティマ同士の連携があったからではないか・・・?
アウクソーは他のバランシェ・ファティマと違いナッカンドラ・スバースの胚を用い製作された最初の4ファティスの存在を利用して生まれています。、このとき組み込まれた史上最初のファティマ、ザ・フォーカスライトの記憶がアウクソーの死への衝動を押さえ込んでいるように、今月号を読み終わってから一層私には感じられるようになりました。
フォーカスライトは自身の生きた記憶を他者に託してまで受け継いでほしいのですからアウクソーに移行したわけで、カイエンの死への自己解釈からアウクソーが絶命してしまったらたまったものではなく、「待って、待って。」とアウクソーにどこかでセーブをかけているのだろうか?と・・・それが例え、時間稼ぎ程度のことしかできなくても。
その時間が今現在、ガーランドたちを決起させ、天照のところまでたどり着きました。かといって彼が奇蹟を起こしてアウクソーの鋭利な考えを変えさせたりするような事は有り得ないのですが、このドラマはもう少し続くようですし、クーンの旅立ちと共にどうなっていくのか見守っていきたいと思います。

・・・でもね、どういう経緯なのかはまだ明らかではないものの、やがてはミースの作り出す(完成させるのはコーラス6?かもなのですが)半エトラムル「デルタ=ベルン」となり、フォーカスライトとアウクソーは二人分の記憶となってGTMエンドレスに収まるのですから、魔導大戦物語最後にアウクソーが口にするという言葉も・・・段々何かが見えてきたような、そんな気もします。
書きたくないから書きませんが。


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