どうしてドルとタコに、同じような手紙が寄越されたのか?

  これはファイブスター物語の13~15巻あたりにかかる事項になり、新しい話題ではありませんけども、自分自身の整理のためにちょっと書いておきます。


 突然ですがFSS13巻にて、詩女ナトリウム・フンフトさんが

 「クリスティン・Vをレーダー8の養女にして欲しい」とする旨の文書を、詩女フンフトはレーダー8と、バシル・バルバロッサ王のふたりに送っています。

 今更なんですけども、内容に大いに関わってくるご当人、レーダー8に送るのは分かるんですけども、どうしてあのタコ頭…いや、バルバロッサ王にも同じものを送っているんでしょう??

 しかも二人共なんだか詩女フンフトに以前に借りがあるような…という感じを受けます。(レーダーはトリハロンに代表される、フィルモア皇帝が持つ歴史的事項としてごまかしていますけども。)

 結局この願いは叶えられる訳なのですけども、フンフトの申し出に対し、バルバロッサも嫌々ながらも借りを返す為、やむなく今回は引き受けた、という感じが全体として漂っていますよね。

 でもフンフトさん、レーダー8だけに承知してもらえば良いのではないかと思いつつも、彼女はフィルモア帝国のあらゆる方面に根回しでもしたのだろうか?としていたこの件について、今改めて単行本を読み直してみると、実際にはひょっとしたらこうではないか、ということを、物語から随分と時間が経っていますけどもこの際書いておきます。

 ただいつものように、私が勝手に思っているだけのことですから、テキトーに読み流してくださいね!💨よろしくお願いいたします。



 まずはレーダー8(ドル)とバシル・バルバロッサ(タコ)の二人がフンフトに対して持っている「借り」の部分についておさらいと妄想とを書いていきますね。


  •  ジークと(茄里の)父ノルガン・ショーカムさんことワイプ・ボルガ・レーダーさんは、皇子としての資格を持っているけれども、不義の子としてレーダー家から放り出され、父のいるバルバロッサ王家に長らくいた→しかし「帝国内王位継承第一位である”皇子”を名乗れる唯一の跡取り」であることには変わりがありませんでした。(皇子と名乗るにはボルガ家の血を引いている必要があったから)


  •  しかし、ワイプが父を随分憎んでいる上に、自分の病気が発覚し、もう寿命が長くないことが分かる→タコ親父としては彼が死んでしまってはボルガ・レーダー家とバルバロッサ家とを繋ぐ足がかりがなくなってしまう→そのことへの対策として、父バルバロッサは、バルバロッサ家の王子モーズをワイプの代わりにボルガ・レーダー家に養子として送り込んでいます。彼がいなくなってもボルガ・レーダー家を継げるように。


  •  ワイプは形の上ではお役御免となった為、自分の意志で詩女フンフトのところに行き、身分や本当の名前を伏せてラーン教導学院に入学し勉学に励み、法律家となって法で復讐にあたれないか探ることとなります。


  •  ここで彼は何らかの考えをフンフトに伝え、自主的に学院に入学しているようですけども、彼は元々とても成績優秀だったようですし、大勢の学生の中でもノルガン・ショーカムの名前を記憶してくれているんだ、というくだり等からも、ワイプさん的には、学校にいる間、学長である詩女フンフトに一切本当の名前や、家柄、それに病気もバレてないと15巻P129ページに至るまで思っていたフシがあります。


 ここまでがまぁ単行本15巻から内容が浮かび上がってくるかと思います。ここからが私の戯言です。


  •  でもフンフトははじめから彼の本当の名前も家柄も、病気のことも一切承知していたことが、彼女が詩女失脚した時にショーカムにあてたお手紙から分かります。

  • これは別に詩女さんの預言能力からでもなんでもなくて、「タコ親父バシル・バルバロッサが、息子の動きを察知して、学長でもある詩女に彼の正体を詩女に知らせていた」可能性があるように思われます。


  •  それは表面上は(名前変えちゃっているけども不治の病持ちだし、彼が心配だからフンフトさん、どうぞ息子の面倒をみてやってね、として片付くでしょうけども)決してそうではなく、一種の監視でしょう。


 そんな間にひとつ事件が起こります。


  •  ブラウ・フィルモア家の跡取り娘が、父を失ったことで一種不良化し、自暴自棄な感じになります。
  •  皇帝レーダー8は彼女に手を焼き、公立高校普通科(デュアンス高校)に入れたものの素行不良で退学となってしまい、更に困ったことになってしまいます。(DESIGNS5)それで行くところのなくなった彼女を、ウルトラC(死語?)的な感じでラーン教導学院に裏口入学させることになりますけども…。

 ここから更に妄想が入ります😅

 このDESIGNS5の文章を読み返して、あるいはそれ以前から気になっていたのですけどもタコ親父はリリ・ニーゼルを異国でわざとショーカムに会わせるように仕向けたのではないかという疑惑です。

 というのもショーカムは自分を憎んでいたけれども残り時間が少ない。その復讐という体を持たせる形で彼にブラウ・フィルモア王家の名を持つ若い女性を近づけさせ、(手段はどうであれ、最終的に)彼女に、更に綺羅びやかで自分の血筋を含んだ「3色の血を持つ子供」を産ませたかったのではないか??


 だとしたらタコ親父は2つのことを仕向けた可能性があります。

  •  レーダー8にリリのラーンへの裏口入学を提案した。あるいはその上でレーダー8と共に、リリの裏口入学をフンフトに頼み込んだ。(当然ショーカムのことはレーダーには伏せておく)
  •  ショーカムにはブラウ・フィルモア家由来の女性がラーン教導学院にやって来ることを(なんとなくでいいと思う)伝えた。


 そんな可能性です。

 というのも、レーダー8だって(当時の)フィルモア皇帝であり、その権力で多くのことを把握、承知して政を行っているのでしょうから、ショーカムが話した事くらいの帝国の裏事情は当然知っているはず…ボルガ・レーダー家とバルバロッサ家との決定的な過ちも、また、リリの父がこのことを知ってしまい、貶められ精神を病み命を落としてしまった事情についてもです。

 更に、バルバロッサ王が自分のところの王子をボルガ・レーダー家(ここはレーダー総本家でもあり、レーダー8ですらそこの人ではない本家中の本家。)内に送り込んでお家乗っ取り的なことを企てていることも分かっていたはず。なのにいくら手を付けられないお嬢さんだからといって帝国内での身分も高いリリを無防備に、真の皇太子であるショーカムのいるラーン教導学院に送り込むのは、もしそれをレーダー8が知ってたのならば皇帝の処置としてはおかしくないかい?という気がするのです。

 いくらボルガ・レーダー、バルバロッサ両家からお役御免になったからといっても、ショーカムはいざとなったら全ての権限を越えた勅令を出せる存在。

 しかも、(ショーカムが語っている通りならば)バルバロッサとブラウ・フィルモア家のいざこざを多少でも把握していたのならば尚更、皇帝陛下はわざわざ彼らを引き合わせる理由がないのだから、レーダー8は、リリをラーン教導学院に裏口入学させた時に、ショーカムが同じ学校にいたことを当時知らなかった可能性がかなり高い気がします。


 そしてリリはどうも自分の家にまつわること以外は何も知らなかったようですけども、ショーカムは最初から彼女をブラウ・フィルモア女王として知っていて、自分には呪われた血筋も入っているものの、このままだと父親に乗っ取られそうなブラウ・フィルモア家の正当な地位…消えかかった血筋を更に強固にして次代へ継がせることで、父親への復讐を果たすために近づいた…。

 でもそれだとあまりにショーカムが卑怯な気がするようならば、遅くともリリが父親の話を持ち出したときから、彼は彼女の正体を把握していたはずだと思います。

 ただショーカムにとっては(結果的に父としていることが似通ったことになりそうですけども)不良少女を利用するだけのつもりが、リリがあまりに真っ直ぐで心優しい女王様だったことから、ショーカムは心から彼女を愛してしまい、当初の予定どおりとは言え子供が二人も生まれて、カミングアウトするまで相当苦しかったことかとも思います。

 そしてリリが全てを知っても尚、「子どもたちのことを一緒に考えましょう。」と言ってくれた時彼はどんなに嬉しかったのかな、と、改めて単行本を読み直して感じました。

 リリにとっちゃ、子供二人ももうけているのにずっと黙っていたなんて相当な裏切り行為だとも思うのですが…。



 ここでちょっと話を変えますけれども…。 

 ひょっとすると、レーダー8こと、「ドルの失策」って、勿論2~3巻の「信頼できる部下で盟友でもあるラルゴ・ケンタウリを2989年のコーラス=ハグーダ戦に深入りさせすぎた」ことはもう本当、フィルモア帝国にとっての大いなる損失だったはずなのですけども、それ以上にこの「リリをラーン教導学院に裏口入学させてしまった」ことは更に痛恨、彼にとっての一番のミステイクだったのかも知れませんね😅


 というのも、気がついたらレーダー、フィルモア、バルバロッサという3色の強大な影響力を持った皇子、皇女は存在しちゃっているし、次の皇帝(ダイ・グ・フィルモア5)も彼の全く知らないところで勝手に決められちゃいましたしね…。


 そして13巻冒頭のフンフトからの頼み事ですけども、手紙を受け取った二人にはどちらも彼女に借りがある。しかし「クリスティン・Vをレーダー8の養女に、」という内容そのものは同じでも、レーダー8とバシル・バルバロッサ王とでは途中経過に当たる文章が違っている可能性が結構あるような気がしてきました。

 (具体的には13巻170ページ、一番左下のレーダー8のセリフ、「ダイ・グ陛下の心労を減らす…わしの養女にしては」のセリフ…部分に入る箇所のところとなります。)

 レーダー8には「それにはダイ・グに仕えているクリスが(強さ以外の点で)無防備であり、彼女の安全を兼ねて身分を上げ、親心を出すように」とでも書けば良いんでしょうけども、(彼女をハイランダーにしたのはレーダー8ですから。)

 バシルへは、「でもダイ・グとクリスの仲がとても良いのでこの間のようなことが起こっては(嫁となる自分としては)困る、彼女に2つの帝国の、それもフィルモアと対となるレーダー家の名を与え、クリスに自覚をもたせてちょーだい。」とか、バシルとその周囲へのもっと威嚇的なことが、三点リーダーの中に含まれていたのではないかという妄想が出てきております。


 いや権力の違う2通りのところに同じ内容を送れば、より強固にクリスの身体に関する不安が減るとは思いますけれども、(もてる力の全てを使ってクリスティンを守ります、と言ってますし)ただそれだけではないのかな、というフンフトさんの果てしない、ともいえる戦略にない頭を使ってしまうのでした…。



 勿論詩女さんの本音は謎中の謎、なんでしょうけどね😂

 果たして現在のお話「カーマントーの灯火」の中で、少しはダイ・グ陛下とフンフトさんの夫婦っぽいところって…見られるんでしょうかね?それとも(ダイ・グの病気もあり)20年経っても結婚が成立しないままなのか。どっちに転んでいるのかとても気になるところです。


追伸 

 ここでちょっと蛇足ですけども、リリとショーカムが、フンフトの紹介状で逃げ込んだバランシェ邸で、バランシェ自身は当初から二人の正体を予め知っていたように思います。(15巻132頁でお前たちの子の干渉は~と言ってるから)ここでAFガーランドの特権である「治外法権」が生きてくるわけです。(ただリリは自分の身分が高すぎて、相手が更に格上だっただなんて想像できなかったんでしょうね…。)


 でもバランシェもまたフンフトに借りが多かったみたいだからこういうのっぴきならない事態を受け入れたようですけども、それが何処にかかるのか?14巻のカイエンVSメル・リンスの対決時(2946年)でクーンが(分離するのに)フンフトを頼るようですけどもここに関係するのでしょうか。

 しかしこのシーンと、リリとショーカムが来た時とでは(2974年)28年しか経っていないのですけども、バランシェさん切り花がしぼむように物凄い勢いで老けてしまったのですね…ファティマボディ移植の限界だったのでしょうけども、最近ご長寿キャラクターが富に増えたのもあって、😅彼がカリギュラとかに接触できてたら良かったのにね、とか改めて思ってしまいますね。


 随分長くなってしまいました。読みにくかったことかと思いますが、失礼いたしました。


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