展示室9・ディスりは恨みの感情…


 2018年最後のブログ更新のタイトルがこんな、なんともオドロオドロシイというか、読まれる方にネガティブな印象を与えてしまい申し訳ないのですけども、残念ながらそういったテーマを持ってきたのも訳があります。(そしてこの記事が読まれにくい展示室扱いになっていることも。)
 今年一年をこのへっぽこブログ的に振り返れば、有り難いことにファイブスター物語14巻出版だけでなく全く途切れることなく連載を毎月楽しめてとても幸せでしたし、映画ゴティックメードも秋の31箇所再上映や現在進行形、年末年始の新宿再ロードショーなど非常に活発化して観られなかった方にも沢山の機会をもたらして下さりました。またオフ会ではじめましての出会いもあって大変実りある一年でした。
 なのですが。

 具体的なことは極力避けて書きたいので回りくどくなることはお許し下さい。
 趣味活動…例えば自分の場合ですと、クラシック音楽にもフォーミュラ1にも、一括りでは纏められない色々な嗜好のファンがいらっしゃいます。
 しかしどちらも日々新しい動きのあるジャンルでもあります。
 それを逐一熱心に追っているup-to-dateなファンの方も大勢いらっしゃいますけども、世間で話題になったときだけそのジャンルについて思い出すファンの方も勿論とても多くいらっしゃいます。
 それも至極当然のことと思います。
 人間の持ち時間には限りがあり、またその人その人一人一人には各々優先順位があり、「他にしたいことや成すべきことのため」に当てていれば時間も熱意も足りなくなるからです。

 しかし、時にはそういったことでなく、在りし日を想い懐かしむだけのファンもまた多くいらっしゃいます。
 カラヤンやフルトヴェングラーはもうこの世におりませんし(録音物は何十年経った2018年でも沢山のタイトルが新たに発売されていますけども…)
アイルトン・セナとマクラーレン・ホンダのF-1は良かったよね」という声はSNSでもよく見かけます(今のフォーミュラ1ファンだとマクラーレン・ホンダと聞いたら苦笑いを浮かべたくなるかも知れない、ですけどね…)
 こういった皆様も当然同じ趣味活動の括りに入るわけです。
 ただ、勿論そういった趣味嗜好の方もも周りには大変多くいらっしゃるでしょうけども、そろそろ私個人と話をする場合は会話が噛み合わなくなってきます(^_^;)
 ※勿論中には大変博識で、その時代時代のことにも大変興味を持って接した上で現在のシーンもしっかり押さえている素晴らしい、それこそマニア中のマニアな方もいらっしゃいますけどね!

 ただ、この「昔を懐かしむファン」自体はそれも趣味の一傾向として然もありなん、ですけども…中には「昔は素晴らしかった、なのに今は…」と思いたい、或いはそれを周囲に主張したいが為に今もアップトゥデイトで対象を追っているのに、現在のことは批判の材料としか考えていない向きがいる…。
 ここまで絞り込むと数がそれ程多いとは思いたくないのですが、私が例えとしたクラシック音楽にもフォーミュラ1にも確実に存在するこれらの人達が、どうもFSSファンにもいそうなのだな、という事実に今年幾つか遭遇してしまい、これまた自分への教訓ともなりました…。
  こちらについてはもうこれ以上のことは触れませんけども、しかしどうして?
 昔は好きだったとしてもそのシーンの今についてはお好きでなさそうであるならば、そこから離れて他の楽しみに充てた方が有意義じゃないの?とつい思ってしまうのです。
  しかもFSSは永野先生個人の創作物ですから、(対象人物にとって)何か望んでいる過去への憧憬があり、実際には来るかどうか分からない。けどもその時を待ち遠しく思うが故に今を耐え忍んでひたすらに待っているのだとしても、永野先生が連載を再開してすでに時間が数年経過しています。
 次々と繰り広げられる新しい物語に湧く中、過去の巻き戻しだなんて起こりうるの?という疑問は長いこと私の頭から離れませんでした。
  私には現在の作品に時間やお金を使いつつもそれを元手にディスって自分や周りに、SNSなどを通してぶつけてくる手間暇そのものが惜しくないのかという気分はこの頃常にありつつもどうしてそんなことになるのか理解が難しかったのです。
 それが…
 ある時別の出来事から、その気持ちの湧きどころはこういった事ではないかという気がしてきました。

「今の趣味に関する現状に満足していないのに離れられない。でもやっぱり不満があり時にはそれが吐露や自己主張となる。
  そういった行動は、物凄く好きであったし、その為に長年自己投資も惜しまなかったゆえ、自分が意図していなかった方向に変わっていくことが裏切りに感じる→恨みの感情から来ているのではないか?」

 恨みと書くとなんだか近寄りがたさ満点でもありますけども、同時に物凄い力を秘めていると感じられるのもまた恨みという思いかもしれません。
 怒りそのものは多大なパワーを必要とし長持ちしないのに、この感情は沸々と時間とともに蓄えられていくからです。

 近年私には理解が難しい、世間で繰り広げられている幾つかのことがあります…。
 例えば支離滅裂で自分勝手にすら見えることのあるトランプさんをアメリカの大統領に押し上げ、熱烈に支持する向きの主張、マクロン大統領がその原因となった増税を取り下げても根強く対立し続けるイエローベスト運動、あるいは何に対しても「ア○政治を許さない」というスローガン有りきで訴え続ける向き。(※注意 私自身は決して現内閣を支持しているわけではないのですが…それ以上に不可解なのがこの方向での発露です)
 こういったパワーの源は「ベルリンの壁崩壊から歩み続けてきたこの30年のグローバル政治と経済に対する取り残され感と不満」がそういった強いエネルギーを生み出す要素の一つ(勿論実際はもっと他の要素も複雑に色々絡んでますけども)となっていると考えると割としっくり来るような気がします。
 その人自身にとっては今現在が思うようにならず憎たらしい上に切実でもある。また訴えている内容のわかり易さもあって、負の感情は共感されやすく、同士を引き寄せやすいのですよね…。

 話題がそれました。
 しかし本来「楽しむべき余力の一つ」である趣味に関してもそういった沸々とした感情を持ち合わせているというのは、その方は本当は人生を楽しめていないのではないか?という印象をまず身近な人達に与えていると思うのですけども…
 勿論現在の作品が100という数字でポテンシャルがあったとして、120は無理でも50しか楽しめない、というFSS読者も中にはいらっしゃるでしょう。
 趣味がすべての愛好家を大いに満足させるものだとは思いません。しかしそういったネガティブな要素が先行している場合は、まずご自身の趣味に関する優先順位を整理整頓、時には損切をしてでも距離を置いたりその場を離れたりしないと、「将来は自分自身も不満ばかりに囚われたり」するのではないでしょうか。

  ほら、そんなお話もFSSにはあるではないですか。
 ラルゴ・ケンタウリはプライドを傷つけられた遺恨を抱え続けてコーラス3の殺害に成功しましたけども、本来目指していた戦況は(彼には想像の出来ない力によって)ひっくり返らず自分が死んでしまった上に、母国に大迷惑&今のアラン・リー・ファントウも子孫のブロードも苦悩をかかえています。
  私はあれも一種の教訓を永野先生が示してくれてたのかな、と考えています。
 負のパワーはとても強く粘り強いものだろうけども、周りにもご自身にも良いことはないだろう、という点で。

 ※今後もしもあなたが好きなものに対して運悪くそういった負のパワーに遭遇するような出来事にあったら、それがあなたの愛してる人以外についてならばとにかく全力で避けて下さいね。
  多分負のパワーの好物は、同意と反論。興味を示してしまったあなたが構う事にあると私は思っています。

 今年最後のポストが暗い話題になってしまって申し訳ありませんでしたが同時に皆様がなにかに邁進できる2019年であることを心から願って書き留めております。
 人生時間に限りがあります。
 信じているものや事にまっしぐらに突き進む日常の中で、あなたの生き様がすぐに晴れ渡ったり、或いは将来何かが叶うかどうかは残念ながらわからないけども、きっとあなたのポジティブな奮闘は土壌になり、素敵な花が咲くことになると私は信じています。

今シーズンはあと4日ですけども、今日は永野先生の舞台挨拶、そして明日はコミケがあります。
 先日お知らせしたlameさんのFSSイラスト集も明日29日ですので、気になった方はぜひビッグサイトへお越し下さいね!(画像にあるイラスト集などの価格はあくまでコミケ価格ですのでその旨ご理解よろしくお願いいたしますm(_ _)m)
 皆様の年末年始が華やかなものとなりますように心からお祈りして、さて私は家族の実家へいってきます!
(1/4までブログ更新、頂いたコメントへのお返事はめちゃくちゃ遅くなると思いますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m)
※追伸 トークショーについてニュース的な記事については号外としてこちらに簡単ですがまとめました。来年2019年はFSSファンにとって素敵なことが目白押しですね!
「鏡のような世界の上で」
今シーズンは絵を描いている時間が益々かかり、描き直したい!という欲求が非常に強くなった一年でした。
なので数も少なかったですね…
これは第九の第三楽章を聴いていると浮かんでるくるものを自分なりに書き留めたものです。
来年はもう少し受けの良い題材とかも手がけないといけないかな、そう頭をちらつくのですが…

コメント

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