女神降臨

つまらない、でも心が疲れる小さな出来事があったあと、僕はここにひとり来ていた。
…どうやら悪夢を見ていたらしかった。

…ちょっと!
遠く何処かで声がする。

"ちょっと、マスター!起きて下さいよ!"
肩に振動が伝わるのを感じつつ、ぼんやり視界が明るくなっていく。
"こんなところで眠っていたら、熱中症になってしまいますよ‼"
馴染みの手厳しい、あの声は…

陽射しは思っていたより強烈なものではなかった。
意味もわからず反論しようとして、それをしなかったのは、僕が視界に収めていたはずの太陽の位置に、いやそれよりもグッと近くに君の顔が認識できたからだった。
…それでも何だか、すべてが眩しい。

「やっと起きましたね。マスター、夢でも見ていたのですか?」
ようやく秋めいてきた9月の東風が、僕と君の間を横切りなぞっていく。
寝起きとともに浴びせられた質問は君の…ウリクルのやさしい微笑みと共に放たれた。
ただ、まだ夢うつつの中にいた僕は、答えにならない事をぼんやり口にしてしまうのだった。
"…君も夢を、見るの?"

「…私だって夢を見ますよ!」
疑念と不貞腐れたような鋭い声で、僕はようやく意識を、その気まずさと共に取り戻したのだった。
ごめんごめんと起き上がってから、皆が探しているという事情を聞き、そしてこれからの分刻みのスケジュールの様々を思い出し、現実に引き戻された僕たちはそそくさととある場所の屋根の上から立ち去るのだった。

「ウリクル、良くあの場所が分かったね。」
「そりゃ、マスターが行きそうな処といったら、ね!」
建物の屋上を幾つか超え、慌てて自室に戻る僕たちだったけれども、城の最上階にある邸宅の屋根まで来てから、珍しく君が心配気にして僕を呼び止めた。
「マスター、何かあったのですか?…それに、辛い夢でもご覧になられていたのですか?」

ん?…どちらも忘れてしまったよ。君が来てくれたから。
と言うと又しても訝しげな表情をする君だから、
心配してくれたんだね、ありがとうと、暫くの別れのキスを忍ばせた。

でもね、本当に綺麗さっぱり、消えてなくなってしまったんだよ。
忘れてしまった方が良いことが、この世にはたくさんあるから。
だけども、君がここに、僕の処に来てくれたのは、忘れるべきではないだろう…。

…原稿➡Twitterのヘッダー➡FBのカバーを更新、と何故か絵の作業を連続でしていました。
最近かっちり仕上げが多かったので自分らしく?ラフな感じを、と描いてみたのが上のFBカバーで、(題は元々絵に付けます)そこから何故か台詞が飛び出してきたのでちょっと纏めてみました、というオマケ的一作です。
来週はNTの発売、そのあとは20日の梅田GTM再上映とまたまた忙しくなりそうですしね!オマケではあるのですがのほほんと楽しく手がけました。…私コーラス3の変顔描くの好きなのかなぁ((((;゚Д゚)))))))微笑みを浮かべるのが仕事みたいな彼も、意外と喜怒哀楽見せてますよね。あ、泣くのは描いた事ないかも…おっかないのもないなlσ(^_^;)
余談ですが今日練馬美術館にて「モダン・パリの装い展」を見てきました。想像以上にFSSしており、明後日8日迄だったのが勿体無かった…早く取り上げて皆さんに宣伝すべきだったと反省。もしまだ間に合いそうな方、もしいたらDESIGINSのご先祖様?がそこにはありますのでお薦めします!

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