~へっぽこからのお知らせ~

◯11月22日(水)1810分~TOHOシネマズ赤池(愛知県。名古屋の方は地下鉄鶴舞線でどうぞゴティックメードの再上映が一回限りであります。新しい施設オープン前でかなり直前ですがご興味ある方是非とも足を運んでみて下さい!

◯配布物Fughetta.シリーズ3冊について。バックナンバーに関してはお申込みを締め切らせていただきました。今迄お申し込み頂いた皆様どうもありがとうございました。
最新号3に限り、年末まで郵送も受け付けます。お問い合わせフォームにてご住所、お名前、お誕生日(要年齢確認のため)お知らせくだささい。
※尚配布物に記載したコラムについてはブログ公開予定はございませんのでよろしくお願いいたします。

奇妙な手紙、奇妙な旅路。(1)

時折、そうね、年に一回位かしら。
「何か欲しいものはある?」とマスターは尋ねてこられる。
困った。わたしには欲しいものなど何もない。

何時だったか「一緒にお茶がしたい」と軽い気持ちで言ってみたらデルタ=ベルン2泊3日プランみたいなのを考えて来られて慌てて止めさせたし、
「ジュノーンの特注パーツが早く欲しい」と頼んだら何だか渋い顔をされてしまった。(それは実現したけれども)
どういうわけか一年の終わり、誰もが忙しくしているこの時期に良く聞かれるような気がするのだけど…何か行事でもあっただろうか?

そしてある朝、まだマスターと私しかいないモーターヘッド・ハンガーの出口で、珍しく放射冷却で冷えこんだ遅い夜明けをぼんやりと眺めながら、また質問は繰り返されたのだ。
「ウリクル、この前のこと、…何か考えてくれた?」

困った。何も考えていない訳ではない。でも、思いつかない。
下手な誤魔化しもすぐ叶いそうな事も言えない。
私が嬉しくて、マスターの負担にならないもの。…そうだ。
「マスター、わたし、マスターからのお手紙が欲しいです。」
「手紙?」
「ええ。いつでも手に取って眺められるよう、いつだって。」
また不思議な顔をされたような気もしたけれど、マスターはポストに入れてくれると約束してくれた。指切りの誓いと共に。
「面白いものを欲しがるね。」という言葉と温かい抱擁を添えて。

それから数日、…私は決して期待していた訳ではない。
マスターが多忙なのは、今にはじまった事ではない。
だけどつい、何かあればポストを覗き込んでしまう。
電信だってあるし、もしもだけど、私が何か言えばマスターは時間を作って下さるだろう。
でも改めて手紙となると…一体何を書いて下さるだろう?
愉快な軽口めいたものだろうか、それともマスターらしからぬ辛辣な批評だろうか。
正直中身は何だっていい。マスターが書いて下さるならば。私はそれを時折取り出しては、これにどんな時間を使って下さったのか、そして何を考えて下さったのか、思いを巡らせたかったから。
そんな感情が、何時の間にか妙な高揚感となり差出し口を見遣る私を支配していた。
だけども、いつしか…決して忘れてしまった訳ではないけれども、年の瀬の慌ただしさと時間の経過が、小さな諦めと共に、ポストを覗きに行く回数も次第に減っていった。
ひょっとすると今年中は無理かも知れない。そんな事が頭をよぎるようになったあの日、年が変わる一週間位前の夜に、一日の仕事を終えた私が確認の為ポストを開けると…

「手紙だ!」
一目でそれだとは…わかったのだけど、見るからに何だか風変わりな手紙だった。
名前や宛名などがないのは勿論、私が奇妙に思ったのはその柄だった。
パンダや象やキリンがデフォルメされ、楽しげに微笑むファンシー…というかちょっと滑稽とも言えるイラストが封筒のそこかしこに大きく彩られている。同じ柄のシールも封印として三箇所も貼られて。
マスター、こんなレターセットを使うのだろうか。ひょっとしてこれは違う誰かからのお手紙だろうか?誰にも見られないようにそそくさとしまい込んで大急ぎで自分の部屋に帰り、戻るなり、三箇所もある封印をもどかしくも破かない様に注意して剥がし、中身を取り出した。
そして、こわごわと広げてみるのだったけれど…
「?」
便箋の中身は、全くと言って良いほど真っ白で、何も書かれていなかったのだった…

これ、いたずらなの?と失望にも似た思いで手紙を折りたたみ直し、しまおうとした私は、ガッカリするあまり危うく重大な点を見落とす所だった。
「!?」
開いた封筒の内側に、走り書きがされていたのだ。
「日付が変わる頃、雨降らしの木の下で待つ。」
時計に目を移し、まさに今がその時間だと気が付いた私は、無我夢中で窓から身を投げ出し、壁を蹴って外へ飛び出して行った。



※どんなレターセットで手紙が描かれたのか、ちょっと思い起こしてみたのですが・・・ひでーなこれは^^;

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