~へっぽこからのお知らせ~

◯11月22日(水)1810分~TOHOシネマズ赤池(愛知県。名古屋の方は地下鉄鶴舞線でどうぞゴティックメードの再上映が一回限りであります。新しい施設オープン前でかなり直前ですがご興味ある方是非とも足を運んでみて下さい!

◯配布物Fughetta.シリーズ3冊について。バックナンバーに関してはお申込みを締め切らせていただきました。今迄お申し込み頂いた皆様どうもありがとうございました。
最新号3に限り、年末まで郵送も受け付けます。お問い合わせフォームにてご住所、お名前、お誕生日(要年齢確認のため)お知らせくだささい。
※尚配布物に記載したコラムについてはブログ公開予定はございませんのでよろしくお願いいたします。

ささやかな最大権力(9)

副騎士団長と、騒動に巻き込まれた─渦中に投げ込まれたのはこちらかも知れないけど─先輩がハミルの前から去ってから、彼は再び静寂を迎えた国王の部屋の警備を続けていた。
しかしながら、どういう訳だかどこからともなくセンパイは再び現れ、ハミルの元に舞い戻ってきてしまったのだった。
今度はさっきと違って小声で話しかけるようになったものの、その顔には疑念と言う文字が大きく書き込まれて。
「ハミル。さっきお前、陛下が頭痛だとか体調不良だなんて、一つも言っていないよな。」
ハミルは首を横にふり、強調するように返答した。
「・・・聞いていません。」
「副団長は、陛下の外遊に同行していたよな。」
「・・・そのはずです。」
ハミルはそう答えてから、先輩に恐る恐る尋ねるのだった。
「センパイ、・・・あの部屋で、一体何が起きているんですか?」
「・・・?お前・・・。」
お互いが顔を見合わせて、お互いが同じことを思っていると感じたのだけども、それが何なのか、二人とも言えずにいたのだった・・・。


部屋の外にいる二人の予測が当たったかどうかは知る由もなかったけれども、広大な王の自室を隔てた濡れ縁では、ウリクルの膝上で横になっていたコーラスが、不意に震えを頭部に感じ、彼女の曇ったアメジストの瞳を見やっていたのだった。
「マスター、すみませんでした。・・・全然、気がつきませんでした。」
うなだれている彼女の表情は、こちらからはむしろ良く見通せるものの、今にも泣き出しそうに見えた。
「ウリクルが謝る事はないよ。四六時中一緒にいるわけじゃないし。むしろそんな事の方がめっきり少ないんだから。」
コーラスは何とかウリクルの気分を変えさせようと、言葉を続けた。
「でも、だからと言う訳じゃないけど・・・今日のことは許して欲しいんだ。下手な嘘をついて、僕も疲れていたのかな。本当に君とお茶して話がしたかっただけなんだ。もう君にも他の者にも迷惑をかけないようにするから。」
しかしそのコーラスの試みが上手く行ったとは言えなかった。
彼の額に、一滴の涙が落ちてきたのだったから。

「マスター、私、解ってあげられなかった・・・」
「いいんだよ、ウリクル。」
ポロポロとこぼれ行く涙の雨に驚きコーラスが起き上がろうとして、彼が不意に強い力を受けたのはそのときだった。
「マスター、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
聞こえて来るウリクルの声は詰まらせた涙音だったけれど、コーラスにはそれ以上のことは分からなかった。
彼は白くか細い腕に引き寄せられて、自分が胸元で抱きしめられている事に気がついたのは、彼女が着ている制服の朱色線が、ぼんやりと見えたからだった。

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