~へっぽこからのお知らせ~

◯11月22日(水)1810分~TOHOシネマズ赤池(愛知県。名古屋の方は地下鉄鶴舞線でどうぞゴティックメードの再上映が一回限りであります。新しい施設オープン前でかなり直前ですがご興味ある方是非とも足を運んでみて下さい!

◯配布物Fughetta.シリーズ3冊について。バックナンバーに関してはお申込みを締め切らせていただきました。今迄お申し込み頂いた皆様どうもありがとうございました。
最新号3に限り、年末まで郵送も受け付けます。お問い合わせフォームにてご住所、お名前、お誕生日(要年齢確認のため)お知らせくだささい。
※尚配布物に記載したコラムについてはブログ公開予定はございませんのでよろしくお願いいたします。

ささやかな最大権力(2)



部屋の見張り番が「コーラス王のファティマ」であるウリクルを探しに城地下のモーターヘッド・ハンガー(格納庫)へやってきたのは、それから5分ほど経ってからの事だった。
彼女はその時・・・、先日行われたばかりの模擬戦後のモーターヘッド整備に関する打ち合わせを、十数名のメカニックや他のファティマ達と共に、ディスプレイ卓を囲んで話し込んでいたところだった。
遠目からも話し合いは白熱した雰囲気を醸し出していたけれど、時折笑い声も聞こえてくるような和やかなものでもあった為、若い見張り番は、この場に割って入る事を少し躊躇しそうになった。
─彼もこのモーターヘッドを駆り、模擬戦にも参加していた騎士である筈なのだが。

「あ、あの・・・ウリクル様はこの中に。」
賑やかな話し声は一斉にに静まり、皆の視線が揃って若い騎士に向けられる。
そしてその中に、ウリクルも騎士から離れた所から、"アメジストの曇った瞳"で彼を見つめていたのだった。
そして名前を呼ばれた彼女は、さして間をおかずにこう彼に答えた。
「はい、ハミル様。私はここですが、どうかいたしましたか?」

彼女の透った声で名前を呼ばれた騎士は、ウリクルが騎士団の大勢の中から自分の名前を認識してくれた事に、若干驚きを隠せずにいたのだったけれども、(※しかしそれは当たり前で、彼女はファティマで、しかも王のファティマなのだから。)とはいえ、ハミルはまずそれよりも自身の任務を果たさなくてはならなかったのだった。
ウリクルはハミルの付けている朱色に緑の刺繍が入った腕章から、彼が次に何を自分に告げるのか、既に大方把握していたのだけども。
「・・・陛下がお呼びなのです。ウリクル様。私と一緒に来て頂けませんか。」

─せっかく整備プランが纏まりかけていて、皆の気持ちも和やかになってきたのに、という思いも若干あったものの、ただ一人の主人(マスター)からの呼び出しとあっては、そちらに出向かなくてはならないのは、ウリクル自身も良く解っていた。
それにしてもマスター、一体何の用向きなのだろう?
しかも予定通りならば、王は今しがた長期外遊から帰ってくる頃合なのではないか?
自分が提案した計画を差し置いてその場を去ってしまうことに関して、幸いその場にいた整備士たちは「どうぞ陛下の許へ向かって下さい。あとはお任せくださいませ」と温かく送り出してくれたものの、こんな形でコーラスからの呼び出しを受けるのは、彼女にとっても非常に珍しい。
ハミルの半歩後方でエレベーターを待つウリクルは、どうしてこのような事になったのか、少しでも把握する為に彼に尋ねてみる事にした。
「ハミル様。マス・・・いえ、陛下は何故私を?緊急の用件なのですか。」

・・・ハミルもコーラスがどうしてウリクルを呼び出したのか迄は聞いていなかった為、彼が知っている事を正直に彼女に話すしかなかったのだった。
「・・・?」
ウリクルはハミルの一部始終・・・コーラスが彼に語ったそのままを聞いて、思わず眉をひそめるのだった。
しかしハミルには努めて冷静を装い、こう彼に伝えた。
「すみませんが、私先に行ってますね。陛下、お待ちのようなので。」
そう彼に告げるや否や、エレベーター脇の扉を開けて、非常階段の螺旋を駆け上がっていくのだった。

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