絶対秘密。 ─前書きとともに。

「・・・あなたと私のことは、絶対に秘密です。」
「・・・絶対?」
密やかな声は、自分の耳にだけ届いている筈なのだが、思わず誰かに聞かれているのではないかと、後ろを振り返った。
「絶対です。」
「他の人に話すのは勿論いけませんが、人前でのそんな素振りも駄目です。」
聞こえてくるのは、決して自分以外には漏らすまいとした、それはそれはか細いささやきなのに、その強い口調や内容はなんとも勇ましい。

君は、君ならきっとできるだろう。
でも自分は?"絶対"なんて果たして護れるのだろうか?
しかしやらなくてはならないのだ。それは彼女の言うとおりだとも思う。
"この世にたった一人しかいない、君との約束なのだから、出来るだけ努力はしてみるよ。"
曖昧すぎる呟きは自分の胸にしまったまま、今は尤もな事を話す彼女に、全てを委ねる事にした。

まるで人類が、ヒトの極限にでも挑戦するような緊張感を含んだ誓いは、何故か子供のような指きりで交わされた。
絡めあった小指を離すと、君は、向日葵の花が大きく咲く様に笑った。
僕も君につられて、笑った。





・・・という訳で、再び登場する事となったチークです。
「真夜中の会話」から来てくださった方、いらっしゃるか分かりませんが、もしいましたら再び訪れて下さった事を大変感謝しています。
検索などではじめましての方、どうもこんにちは。つたないものばかりですが、良かったら、「真夜中~」と合わせてご覧頂ければと思います。

「真夜中の会話」を2月に書き終えて以後、ぼちぼちと下手な絵を描く事はあっても、まるでやった事のなかった文章を仕立てることは、もう二度とないだろうと思っていたのですが。
しかしです、この春公開だと私は信じていたし、一時はリブートの帯にも書かれていた映画ゴティックメードは、結局公開日が11月1日に・・・正直これが守られるのかどうかも良く分かりません。はっきりいって、これを知ったとき私は凄く落胆しました。と同時に、折角ここまで待ったのに、ただでさえ飽きっぽい自分がもう持たないのではないかという不安にも若干駆られました。
じゃあまた何かをしてみようか、では一体何をするのがいいか、いろいろ思ったのですが、結局の所「真夜中の会話」で没にしてしまった話や、もうちょっと書きたかったこと、絵を描いているうちにふと思いついたキャプションなどを大体月1位で新たに上げてみる、という方法をとって、のんびりGTMの公開及びFSSの連載再開を待つことにしました。
ただ、最初「真夜中の会話」に追加しようとも考えましたが、あれはもともとこれ以上更新をするつもりの無かったもの。新たにそのためのスペースを作る必要があり、今回「絶対秘密。」を立ち上げてみることにしました。
FSSものとはいえ、あくまで「真夜中の会話」のエクストラ・トラックのような形にするつもりですので、内容は短い物が多いです。
それでも良かったら、どうぞ。
今は「降り積もる祝福」と、先月「真夜中~」に掲載し移動してきた「ようこそ女王陛下」だけですが、これから次の話「希望さえないパンドラ」を手がける予定です。これは「真夜中の会話」に出てきたオリジナルキャラクターのイフリートに関するお話になります。これが6月に出来ればいいなぁ、と思いつつ・・・。
(更新情報はブログ及びツイッターで行う予定です。この前書きも更新対象になります。)

タイトルの「絶対秘密。」についても少し。
最初は題名だけの予定でしたが、短文を後で付け足しました。
ウリクルはファティマだから、例え拷問にあったって絶対秘密は喋らないでしょうけど、人間(コーラス3)のほうはどうなの?みたいな感じを抱いてこのタイトルが出来ました。
この2人の恋は、ちょっと間違えば一大スキャンダルになりかねないかなり危ういものです。
でも、彼女が世を去っても、新聞(4巻でカイエンが読んでいます)や子供の反応とかをコミックで見ている限りでは、そういう風には庶民は受け取ってないみたいなのですよね。
だとしても秘密はばれなかった・・・とはとても思えず。
二人だけの秘密が次第に「公然の秘密」みたいな形になっていったのではないかと考えた時に思いついたのが、「真夜中の会話」で短編として書いた"La Valse"でした。
でも、秘め事をおくびにも出さないのは、それこそ強い意志とかなりの演技力が必要なのではないかとも思うのです。ただ、この点でウリクルは基本的には完璧に動けるでしょう。ファティマですし。ばれないように努力しなきゃいけないのはコーラス3だけ。
ある意味彼にはちょっとだけ気の毒ではあります。私はやった事はありませんが、それこそ宇宙人と付き合っているようなものなのかもしれません。
でもまぁ良いのかな、好きなんだから。
そんな気持ちをちょっとこめて、付けてみました。

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