~へっぽこからのお知らせ~

◯配布物Fughetta.シリーズ3冊について。バックナンバーに関してはお申込みを締め切らせていただきました。今迄お申し込み頂いた皆様どうもありがとうございました。
最新号3に限り、年末まで郵送も受け付けます。お問い合わせフォームにてご住所、お名前、お誕生日(要年齢確認のため)お知らせくだささい。
※尚配布物に記載したコラムについてはブログ公開予定はございませんのでよろしくお願いいたします。

降り積もる祝福(1)


外はどこまでも高い空の下、長い長い、セレモニーが終わろうとしていた。
僕は全ての終わりとして、城のテラスの最前列に立ち、自分が新たな国王として即位した事、そしてコーラス王朝のこれからについて、決してたどたどしくならない様、声を大きく、はっきりと出すようにしてスピーチをした。
自分が言いたいことを話し終えた後の一瞬の沈黙、そしてその後の爆発でもあったかのような歓声は、この先も二度と忘れないものとなるだろう。
その鼓膜を刺激し続ける歓喜の声と共に、テラスの真上からか、色とりどりの紙吹雪が、僕の視界を埋め尽くすほど大量に降り出してきたのだった。

襟元のマイクのスイッチをオフにするのを忘れないようにして、眼下の国民─彼らは恐ろしく熱心で、一部の者は5日前からこの瞬間に臨む為に待っていたと聞く。申し訳ないがここからだと黒山の人だかりにしか見えないが─に向かって手を振るのだけど、この紙吹雪は、その人波ですらかき消そうとするのではないかと思えるほどだ。一体誰が降らせているのだろうか?
辛うじて、今自分に分かるのは、明るさを伴った、しかし言葉なのかも良く分からない人々の歓声の中に、"VIVE LA CO-LUS!!(コーラス王朝に栄光を!!)"という響きが含まれているのだろう、という音の輪郭が掴める程度でしかなかった。

自分は国民のためにこの責務を精一杯務めるつもりだけど、それでも彼らの声を吸い上げられるのはせいぜいこの程度ではないかと、目の前で降り積もっていきそうな紙吹雪を眺め、ふと、その喧騒に紛れて絶望的な考えが、僕の中をよぎった。
勿論、ルーパス、リザード、トラーオの3人が、また議会やトリオ騎士団や城に勤める多くの者が僕を助けてくれるだろう。しかし、自分が物心ついたときからこういう役を背負うのは必定だと分かっていたのに、いざその出番が回ってくると、改めて父の偉大さと責任の重大さ、そしてあまりに強すぎる何か─皆の視線だろうか─を感じざるを得ない。
テレビカメラが僕を見ているかもしれないのに、足元の煌く紙くず─降ってきた紙吹雪も、落ちてしまえばゴミ同然だろう─に視線を落として、誰にも分からないように努めてふう、と息を吐いた。
そのため息だけでも目の前の紙吹雪は、その向きを変えてしまいそうに見える。
それは今の心もとない、自分のようにも思えた…。

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