降り積もる祝福(2)

「マスター、どうかしたのですか?まさか具合が悪くなったりしたとか・・・」 ひそやかな声が聞こえてきて我に返り、声のする方向を向くと、ウリクルが心配そうな表情を浮かべて、僕の斜め後ろまで近づき、僕に声をかけてきたのだった。 彼女にはこの日のために、ずっと練習にも付き合わせてしま...

降り積もる祝福(3)

幸い、僕が途中で言葉を切った事を気付かなかったのか、それとも気づかないふりをしてくれたのか、ウリクルは僕の顔に視線を向け、手を伸ばして、自分の頬についていたらしい紙吹雪の一枚らしきものを取り除いてくれた。 「マスター、ついてしまいましたよ。紙吹雪。」取り除いたその金色の一枚を再...

降り積もる祝福(4)

「変な事はできませんね。」 と言う昔のウリクルの声がリフレインして、自分の意識に語りかけてきた。 今僕のしている事は、まさにそれに当たってしまうのではないのだろうか。 あの時と同じ白亜のテラスは、歓声どころか無音のしじまにあって、真夜中が作り出す闇の中にある。近くの非常灯...

降り積もる祝福(5)

「・・・あの時は祝福とプレッシャーとが両方、自分に降りかかってきている様な気分だったよ。何か全てに応えなければならない、という期待が。やらなくてはならないと、わかっていた事ではあったけれど、ちょっと不安だった。」 僕は言葉を続けた。 「今それがちゃんと出来ているとはそんなに思...

降り積もる祝福・後書き(12/05/15)

という訳で・・・(^_^;)大変失礼いたしました。 これは絵からのキャプション+αとして「真夜中の会話」その後を少しだけ、という形になるでしょうか。 絵そのものは、3月の頭に描いたものです。モータースポーツ写真展を見に行ったときに、ル・マンの紙吹雪まう写真から、その光景と作...

ようこそ女王陛下

「嫌だ嫌だ!どうして私が”女王陛下”なんて呼ばれなきゃいけないの?」 年頃の若い女性が、隣を歩く青年に向かって顔を上げ、顔を赤くして怒り心頭に叫んでいる。 白地に朱色のラインの入ったドレスに、自分の頭と同じくらいの大きさの制帽を身につけた彼女は、スラリとした細身の身体に似合...

ようこそ女王陛下・後書き (2012/04/30)

Welcome the Queenというブリスの一曲(それもマーチです。)からコーラス6とディジナの絵が生まれて、絵を描いている最中に頭に浮かんできた文章を、メモをとり、そのまま一気に書き上げてここに掲載してしまいました。 文章自体は短いし、それ以前にただの「絵の説明文」でしか...